理解できなかった部分は知りたいと思わせる魅力

そもそもマーベルファンを楽しませるという点において方程式が完璧だ。「あの作品を観ていないと楽しめない」ではなく、「あの作品も観てみたい」「もう一度観てみるか」と思わせる舞台背景とストーリー展開とネタ選び。理解できる部分はディープに楽しめ、理解できなかった(わからなかった)部分は知りたいと思わせる魅力がある。観ながら頭に「?」が浮かぶ人、ほとんどいなかったのではないだろうか。

『デッドプール&ウルヴァリン』は複数のマーベル作品の上に成り立っているオールスター的映画ではあるが、観客がどんな属性だったとしてもおいてきぼりにしていない。MCUとして重要なポジションを担う作品であると同時に、一本の映画としても完成度がすこぶる高い。

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ディズニーの本気を感じた

なにより、『デッドプール&ウルヴァリン』からディズニーの本気を感じた。ディズニーは知っている。ファンから誤解されていることを。ディズニー作品はユルいんじゃあないかと。『デッドプール&ウルヴァリン』もユルユルな内容だと思われていると。

それは、私たちが持つディズニーに対するイメージでしかない。しかしそのイメージは強固で屈強。崩すにはどうしたらよいか。そこにあったのが『デッドプール&ウルヴァリン』。ディズニーの本気を『デッドプール&ウルヴァリン』にすべて注いだ結果、大ヒット。「ディズニーだから〇〇」なんて偏りのある固定されたポリシーは存在しない。それを思い知らせてくれた。ディズニーなぁ。その点は本当に快挙。

そしてカレーがものすごく辛い。