将来、アンチコメントが付いたときの対策について考えた作者。「鋼のメンタル」を手に入れるため、作者が考えた読者とのある企画とは……。Instagramで公開されたマンガが、「なんでそんな企画思い付くの(笑)」と話題の作者、チャーさんにお話を聞きました。
マンガ「アンチコメ祭り」のカット(チャーさん提供)
【マンガ本編】SNS投稿のぶっ飛んだ”アンチコメント”対策とは? 祭り状態に爆笑
アンチコメントが大盛況! …ってどういう状況?
アンチコメントへの対策方法について描いたマンガ「アンチコメ祭り」が、Instagramで400以上のいいねを集めて話題となっています。
誰かの投稿に対して、否定的な意見をぶつける「アンチコメント」。もし、自分のSNSでアンチコメントが付いたら……と想像した作者は、そのときの対策として「鋼のメンタルを手に入れる必要がある」と決意します。そこで、自分の作品にアンチ風コメントを付け、それにうまく返してほしいと読者に呼びかけたのですが……。読者からは、「ま~た面白いことを始めていますね!」「なんでそんな企画思い付くの(笑)」「私も参加してきます」などの声があがっています。
このマンガを描いたのは、Instagramでマンガを発表している、イラストレーターのチャーさんです。チャーさんに、作品についてのお話を聞きました。
ーーアンチ風コメントは、どのようなものを用意したのですか?
「二重顎になっていますよ? 自己管理ができていないと思います」「自分の管理ができていないのに、子供の管理ができているのですか?」「頭に矢が刺さるとか、子供の教育に悪いと思います」などです。「ひとつの画像からすべてを判断する」ようなコメントや、「大きなお世話だよ」とツッコミたくなるようなコメントを、自分で書き込んでみました。
ーーアンチ風コメントに対する読者からの返信で、「これは優勝!」と感じたコメントはどんなものでしたか?
「マンガが集中線に頼りすぎ」というアンチ風コメントに対する返信で、「頼れるものは頼らないと、疲れてしまいますからね。勇気を出して、たまには弱音を吐くことも大事です。いつもお疲れさまです」と相手への思いやりがこもったコメントが個人的には優勝でした。「これだったら相手もおとなしくなるかも?」と勉強になりましたね。
ーーそのほかに、特に印象に残ったものはありましたか?
「二重顎になっていますよ? 自己管理ができていないと思います」というコメントに、「ひとつ目の顎は自己愛、ふたつ目の顎は子供への愛を表しています」という返しが、ユーモアを感じて個人的にはツボでした。
ーーチャーさんがアンチコメントを目にしたという料理系SNSアカウント以外にも、「アンチコメントが付きがちだなあ」と感じたジャンルはありますか?
見るものが料理と育児系ばかりなので、ほかのジャンルはあまり詳しくありませんが、育児系のアカウントにも見かけることがあります。抱っこしているお母さんがネイルをした少し長めの爪だったり、若い雰囲気の服装をしていたりするだけで、「親の格好でどんな育児をしているのか、もうお察し(笑)」「親ガチャ失敗、子供がかわいそう」などのコメントが……。料理系は、料理のレポートが見たいのでコメント欄を開きますが、それ以外の場合はできるだけコメント欄を開きたくないですね。
ーーこの作品の制作には、どのくらいの時間がかかりましたか? また、描くときにこだわったポイントを教えて下さい。
まだまだ絵は初心者なので、全部で6時間程度かかりました。こだわりポイントは「どんなアンチコメントがきても、かわしてみせる」という信念を持った武将の表情です。
ーー作品について、どのような意見が寄せられていますか?
「また面白いことを始めてる!」「なんでそんな企画思い付くの(笑)」と、企画を楽しんで下さる方から多数のコメントをいただきました。「コメントから目が離せない!」と、仕事中に何度も見にきて下さる方もいて、大盛況でしたね。
ーー今回のマンガを描いたきっかけを教えて下さい。
いつもおいしそうな料理作って、SNSでレシピを公開してくれる方が、お酒を飲みながら料理をしていただけでひどいコメントが書き込まれているのを見て、「なんだかなあ……」と思ったことがきっかけです。
私のお絵描き仲間でも、アンチコメントが付いたときは仲間うちで話題になるのですが、結構ひどいいわれようなんです。基本的に、SNSはその人のすべてをさらけ出しているわけではなく、生活のほんの一部の切り取りです。マンガは「みんなに楽しんでもらいたい」という思いで描いているものだし、料理の投稿をアップしている人は、きっと「みんなにおいしいレシピを伝えたい」という気持ちで投稿している人が多いと思います。なのに一部だけを見て、その人のすべてを否定するようなコメントはいかがなものかと……。
しかし、アンチコメントはSNSを続ける限り、避けられないことだとも思います。「こうなったら、こちらの耐性を付けておく?」「耐性を付けておけば、いざ自分のSNSにアンチコメントが付いたときも、気持ちが少しは楽かも?」と思い、今回の企画を開催しました。
意味があったかどうかは分かりませんが、読者の皆さんが楽しんでくれたみたいで、とても良かったです。面白い煽り(あおり)コメントも多数あるので、もし良かったら私のSNSをのぞいてみて下さい。ちなみに「武将の表彰」は終了していますが、コメントはいつでもお待ちしております。たくさんの武将が相手をしてくれると思いますよ(笑)。