いまだに謎に包まれている『仮面ライダーガヴ』主人公の職業は何なのでしょうか? 歴代ライダーの系譜から読み解きます。
ライダー史上初めて「お菓子」をテーマにした最新作『仮面ライダーガヴ』。お菓子を手がける職業として、さまざまな推測が持ち上がっている。 (C)2024石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映
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歴代ライダーは自営業かフリーターが多し
この1年間活躍した『仮面ライダー ガッチャード』はまもなく最終回を迎え、2024年9月から新たな『仮面ライダー ガヴ』が放送スタートします。ライダー史上初の「お菓子ライダー」であり、キャッチフレーズも「お菓子も悪も、俺が食べ尽くす!!」という徹底ぶりです。
すでに新ライダーのビジュアルも公開され、2024年7月26日公開の映画『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』にも最速登場だと公式に明かしていました。バンダイの玩具も画像付きで予告されており、すでに謎は何もないかのように見えます。
しかし、大きな謎がひとつ残されています。それが、新ライダーの「職業」です。仮面ライダーは子供たちにとって憧れの存在であり、どんなお仕事をしているのかも、日本を将来担う世代には少なからずの影響を与えることでしょう。
ここ数年で最も注目を集めたのが、2019年に放送開始した『仮面ライダーゼロワン』でしょう。テーマが「AI」という斬新さもさることながら、主人公「飛電或人(ひでん あると)」の職業が「社長」であることに世間は沸き立ちました。家業を引き継ぐ2代目ではありますが、「飛電インテリジェンス」は大企業であり、イーロン・マスクなどのハイテク起業家に重ね合わせる人もいたかもしれません。
何より、「職に就いている仮面ライダー」は少数派である事情もあります。昭和ライダーは意外と就職率(?)が高く、1号はオートレーサー、ライダーマンは科学者、スーパー1は宇宙飛行士でした。
けれども、平成に入るとフリーター率がグッと上がります。まず『仮面ライダークウガ』の「五代雄介」は2000の技を持つ冒険家ですが、日本では喫茶ポレポレのアルバイト兼居候。『仮面ライダー555』はクリーニング店、『仮面ライダー電王』も姉の経営する喫茶店でバイトしていました。
一応は組織に属している主人公ライダーとしては、『仮面ライダーブレイド』の「BOARD(人類基盤史研究所)」社員や、『仮面ライダー龍騎』の記者見習い、『仮面ライダードライブ』の警察官、『仮面ライダーエグゼイド』の研修医など、指折り数えられるぐらいです。
ほか、『仮面ライダーディケイド』のカメラマン、『仮面ライダーW』の私立探偵、『仮面ライダーセイバー』は小説家にして本屋の店長、『仮面ライダーリバイス』は銭湯経営など自営業が目立ちます。『仮面ライダーギーツ』のスター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズはスターとしか言いようがなく、『仮面ライダー鎧武』はフリーターから神様に転職……それは職業なのでしょうか。
これほどフリーター率が高いのは、ひとつには世を騒がせる怪人たちが暴れる時間を自由に選べるフレックスタイム制(?)である事情が大きいでしょう。定職に就いていて、いつでも現場に駆けつけられるとすれば、他は警官か私立探偵、記者見習いやバイオリン職人ぐらいしかいないはずです。
また、人助けに見返りを求めないからこそヒーローという大前提もあります。バイトで生活費を稼ぎ、怪人との戦いはボランティアでなくては、ヒーロー性は薄れてしまうでしょう。ブレイドも最初は給料をもらう「お仕事」でしたが、後に給料が振り込まれなくなってから真のヒーローになったのかもしれません。
すでに公開されているおもちゃ情報では、グミやマシュマロなど「身近なお菓子」をモチーフにしたお菓子モンスターが登場することが推察できる(バンダイ)
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主人公がお菓子職人なら成長ドラマもあり得る?
さて、本題である『仮面ライダーガヴ』の主人公「ショウマ」の仕事は何になるのでしょうか。テーマがお菓子ということで、有力な候補のひとつがお菓子作り職人のパティシエです。
もしパティシエだとすると、「ふだんから愛情を注ぐお菓子を悪用する(ないしお菓子が化身して悪事を働く)怪人は許さない」「お菓子にトラウマを植え付けられた被害者の心を自らのお菓子で解きほぐす」「お菓子は悪くないんだ、友達だ!」というような内容が想像できます。錬金術で造られた人工生命体「ケミー」を回収しつつ、そのケミーをもとにフォームチェンジを行いパワーアップしてきた『ガッチャード』と近しい展開だといえるかもしれません。
しかし、すでに公開されているおもちゃ情報では、チップスやマシュマロ、グルグルキャンディーなど、厨房で作るというより「工場で作ったもの」が多くなるとも推測できます。パティシエがキャンディーを作ることもあり得なくはないものの、駄菓子に寄っている予感があります。
次の候補が、フードファイターでしょう。「お菓子も悪も、俺が食べ尽くす!!」というフレーズにピッタリですね。チップスやチョコレート、マシュマロを大量に摂取すると血圧が心配になりますが、そこも変身により強化された内臓が解決してくれるかもしれません。
最後のひとつが、お菓子屋さんでしょうか。主人公が自ら作るのではなく、既製品を仕入れてお店に並べて売るお仕事です。数年前に『だがしかし』という駄菓子マニアマンガがアニメ化されていることを踏まえれば、駄菓子を愛する特撮ヒーローも新機軸となりそうです。
とはいえ、パティシエ説も捨てがたくはあります。料理を得意としていた『仮面ライダーアギト』の主人公は、調理師専門学校に通い、ベーカリーでバイトし、レストランの店員となり、最終的には「レストランアギト」を開店していました(メインのシナリオライターである井上敏樹さんが料理にこだわりがあるためと思われます)。「ガヴ」でも、お菓子職人として成長していく姿を観てみたいものです。