マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』には多くのキャラクターが登場し、すでに故人となったキャラクターもいます。そのなかには、もうこの世にいないにもかかわらず現在に大きな影響を及ぼしている人物もおり、物語に深みを与えています。
オハラの悲劇が描かれた「ONE PIECE ワンピース 9THシーズン エニエス・ロビー篇 piece.5」DVD(エイベックス・ピクチャーズ) (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
【画像】え…っ? 生きてたん? こちらが「オハラ」にまつわる重要キャラです
いないと話が変わっていた?
※この記事では『ONE PIECE(ワンピース)』単行本未収録の最新展開の話題を含みます。
100巻以上続くマンガ『ONE PIECE』には、多くのキャラクターが登場します。そのなかには、過去のストーリーに登場し、現在は故人となった人物も少なくありません。最近は現在のストーリーには深く関わりのないはずの故人キャラが、実は現在の物語に重要な役割を果たしていたことも判明しました。
クローバー博士
「クローバー」博士は考古学の権威であり、「麦わらの一味」の考古学者「ニコ・ロビン」の故郷「オハラ」にて、「歴史の本文(ポーネ・グリフ)」の研究を進めていました。しかし、オハラは政府による「バスターコール」を受け、志半ばで命を落としてしまいます。
コミックス41巻第395話では、「空白の100年」と呼ばれる歴史上の空白から、「ある巨大な王国」の存在を導き出したというクローバー博士の言葉が語られました。そして、オハラは政府によって消滅させられてしまいます。
第1120話では、クローバー博士がなぜ「空白の100年」の秘密を解き明かそうとしたのか、「Dr.ベガパンク」の回想でその真相が明かされました。クローバー博士の本名は「クラウ・D・クローバー」といい、Dの一族であることが理由で兄を殺されてしまった、という過去があったのです。彼はその無念から、人知れず消され続けている歴史を研究していたのでした。
クローバー博士が歴史の真実を追及したことは、後世に大きな影響を与えています。たとえば、「革命軍総司令官」の「モンキー・D・ドラゴン」は、オハラでのバスターコールがきっかけで、革命軍という組織を立ち上げました。また、幼少期のロビンに考古学を学ばせたのもクローバー博士であり、彼がいなければ、ロビンは「歴史の本文」を解読することも、麦わらの一味と出会うこともなかったかもしれません。
さらにネット上には、クローバー博士の「クラウ・D・クローバー」という本名が、「ミンク族」の住む「ゾウ」にある都「クラウ都(と)」と似ていることに着目したファンもいました。クローバー博士の家系とゾウにはなにか関わりがあるのではないか、と考察されています。
光月(天月)トキ
「光月おでん」の妻である「光月トキ」(旧姓は天月)は、800年以上前に生まれたという謎の女性です。「トキトキの実」の能力を使い未来へと飛び続けた結果、「ワノ国」でおでんと出会って結婚し、「モモの助」と「日和」をもうけました。
トキは、夫であるおでんが「百獣のカイドウ」に殺されたあと、モモの助や家臣の「錦えもん」らを自身の能力で20年後の未来へと飛ばします。その後「月は夜明けを知らぬ君」「叶わばその一念は二十年(はたとせ)を編む月夜に九つの影を落とし」「まばゆき夜明けを知る君と成る!」という意味深な歌を詠んだあと、カイドウの手下によって命を奪われてしまいました。
トキがやってきたという「800年前」の時代は、前述のクローバー博士が導き出した「空白の100年」が明けたとされる時期です。このことからも、トキは世界の核心に迫る何かを知っていそうなキャラクターだと考えられます。トキがモモの助や錦えもんを20年後の未来へ飛ばさなければ、モモの助たちはルフィに会うこともできず、「ワノ国」をカイドウの支配下から取り戻すこともできませんでした。
また、コミックス96巻第972話では、おでんがトキに送った手紙に「トキ お前の能力を使ってほしい もし おれが死んだら」と書かれていました。トキはその手紙を途中で破り捨てましたが、おでんの遺志を継いで自身の能力を使ったのでしょう。おでんとトキは壮絶な最期を迎えましたが、その存在は未来の人びとに大きな影響を与えています。
また、彼女の死後のトキトキの実の能力者が誰なのかも不明で、時間を移動できる貴重な能力が最終章でまた使われるのかも要注目です。
ロックス・D・ジーベック
「ロックス・D・ジーベック」は、伝説の「ロックス海賊団」を率いていた海賊です。ロックス海賊団には、元四皇であるカイドウ、「ビッグ・マム」こと「シャーロット・リンリン」、「白ひげ」こと「エドワード・ニューゲート」らが所属していました。
コミックス95巻第957話では、ジーベックが「Dの一族」であったことが明かされています。海軍本部大目付の「センゴク」によれば、ロックスは「ロジャーにとっても最初にして最強の敵」だったそうです。
センゴクいわく、彼らは「世界の禁忌(タブー)に触れすぎた為」に、その情報はほとんど残されていません。詳細はいまだ明かされていないものの、おそらく相当重要な情報や歴史的事実に関わっていたのではないでしょうか。
ロックスは現状どんな顔をしていたのかさえ不明で、読者の間ではロックスと同じ「海賊島ハチノス」を拠点にし、数々の強い海賊を仲間にしている「黒ひげ」こと「マーシャル・D・ティーチ」と血縁があるのではないか、という説もあります。今後、まだ全貌が描かれない「ゴッドバレー事件」でロジャーや「モンキー・D・ガープ」とどんな戦いを繰り広げたのかも描かれるはずで、注目が集まるキャラです。