アニメにおいて艦艇の操舵手というと、若干地味なポジションながら、それでもその技量一本でガッツリ人気をかっさらうキャラも見られます。リアルにも、そうしたちょっとおかしい(褒め言葉)「操艦の天才」がいました。
『SEED』にてノイマンがバレルロールを披露した「アークエンジェル」。画像は『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』配布資料より (C)創通・サンライズ
【画像】並みいる主要キャラをおさえて…人気沸騰中の「ノイマン」は7位の男です
操艦のウデだけで主要キャラたちをジャイアントキリング!
アニメや特撮作品では、ロボットや戦闘機を操縦するパイロットが主人公に据えられがちです。主人公パイロットは大概、天才的な操縦技量を持つ人物として設定されている一方、主人公の「帰る場所」である宇宙戦艦などの母艦において、艦の指揮を執る艦長や、操艦する操舵手にも、天才的な技量を持つ人物が存在します。
そのひとりが「ガンダムSEED」シリーズに登場する「アーノルド・ノイマン」でしょう。
「ガンダムSEED」シリーズには「コーディネーター」と呼ばれる、遺伝子調整によってあらかじめ強靱な肉体と優秀な頭脳を持った新人類が登場するなか、ノイマンは「ナチュラル」と呼ばれる普通の人間です。にもかかわらずノイマンは劇中で巨大な宇宙戦艦を手足のように操る「変態機動」を披露しています。
TVシリーズに登場するノイマンは強襲機動特装艦「アークエンジェル」の操艦を担当しています。設定資料を見る限り、「アークエンジェル」は特別、運動性の高い艦ではなさそうですが、TVシリーズ1作目『機動戦士ガンダムSEED』では海中の敵を主砲で攻撃するため、全長420mの「アークエンジェル」を大気圏内で、「バレルロール」と呼ばれる、横転と機首上げを同時に行う機動に成功しています。
映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の劇中後半で、ノイマンはわけあって世界平和監視機構「コンパス」が建造した、最新鋭強襲揚陸艦「ミレニアム」に乗り換えることになりました。その乗り換えて間もない「ミレニアム」でノイマンは、敵陣営が放った超大型ビーム砲「レクイエム」のビームの直撃を回避するため、水平飛行中に進行方向と高度を変えずに、機体姿勢を急激にピッチアップして迎角を90度近くまで持ち上げる「コブラ機動」を実施、これによりビームを回避するという離れ業を演じています。
劇中でこれだけの活躍を見せているノイマンの人気はうなぎ上りで、2024年3月に公式WEBサイトが行なったシリーズ通じての人気投票では、メインキャラを抑えて7位にランクインしました。また2024年末に発売予定である『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のブルーレイディスクには、特典として彼を主役とする『ノイマンの航海日誌』なるドラマCDが付属することが明らかになっています。
若き日のマックス(左)、嫁は異星人。「マクロス男子2 スタンドミラー/超時空要塞マクロス」(バンダイ) (C)1982 BIGWEST
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あの天才パイロットは操艦させてもガチ変態(褒め言葉)!
ガンダムシリーズと共に多数の宇宙艦艇が登場する「マクロス」シリーズは、「マクロス」の名を関する母艦がロボット状の強攻型に変形できるためか、その強攻型で「変態機動」を披露した操舵手/艦長は、「ガンダム」シリーズに比べて多く見られます。一方、通常の艦艇形態での「変態機動」の披露は、『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』に登場した「マックス」こと「マクシミリアン・ジーナス」など、あまり多くはないという印象です。
同作におけるマックスは、全長800m級の「マクロス・ギガシオン」を駆って、あたかも戦闘機のように峡谷地帯を自由自在に飛び回り、被弾した主人公らを救出するという離れ業を演じています。
作中にマックスがマクロス・ギガシオンを操艦している描写はないのですが、『マクロスΔ』の登場人物で、マックスにとっては孫娘にあたる「ミラージュ・ファリーナ・ジーナス」に「あの飛び方は…まさか」と看破されているあたりからして、マックスが操艦していたものと思われます。
劇中で常人離れした操艦技量を発揮した(と思しき)マックスは、シリーズ1作目の『超時空要塞マクロス』で登場した時点からヴァリアブル・ファイター(可変戦闘機)の天才パイロットいう設定でしたし、『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』の劇中後半でも、73歳(!)にしてヴァリアブル・ファイターに搭乗して無双してしまう、ちょっとおかしい(=規格外の)人物なので、操艦技術の高さについてはあまりクローズアップされていないきらいがあります。
旧日本海軍の戦艦「大和」 (画像:アメリカ海軍)