ダウンブローに打てる選手が増えた
プロキャディ
栗永 遼さん
「一時期は7W、9Wを使う選手も多かった。でも今は、ダウンブローに打てる選手が増えたので高さよりも操作性を重視してUTを使うようになりました」
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抜けのよさはFWよりもUT
プロキャディ
先崎洋之さん(左)照井浩二さん(右)
「UTのほうが構えやすくて、ラフからの抜けもいいと思います。今はラフからでも出すだけではなく、グリーンを狙う時代なので選手はUTで攻めますね」
19度のUTは「お助けクラブ」ではない
FW1本派の選手が増えたとはいえ、FW2本派の選手もいます。さらにFWとUTの組み合わせを調べると、FW1本派は19、22度のUTを、FW2本派は22、25度のUTを使う選手が多いですね。
FW1本派が増えた理由のひとつは女子プロのレベルが上がり、ヘッドスピードが上がったことです。ヘッドスピードが上がったことで5Wは球が高く上がりすぎてしまう。でも、ヘッドスピードが遅いアマチュアが同じようなセッティングにするとハードすぎます。
個人的にはドライバーのヘッドスピードで43m/秒以上ないと19度のUTは難しい。43m/秒未満であれば、FW2本派のセッティングを参考にするのが賢明です。
吉田優利はプロ1年目から15度の3Wに、19度と22度のUTという組み合わせは変えていない
2年連続で年間女王となった山下美夢有はFW2本派。UTは22、25度にしてアイアンは6番から
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24年の流行予想は? 飛び系アイアンのブームが終わる!?
23年シーズン終盤の女子ツアーでの取材や、メーカー担当者から新製品の話を聞くと、24年シーズンに流行しそうなクラブの傾向がわかりました。
パターは「Ai-ONE」に代表されるようなハイテクノロジー系のパターが大流行すると思います。今まではテクノロジーよりも感性を重視して選ぶ選手が多かったですが、最新のテクノロジー系は感性を使える部分を残しているのが大きな魅力です。
ドライバーでは「G430 10K」や「Qi10」のような、上下左右の慣性モーメントが1万g・㎠以上のドライバーが主流になるでしょう。そしてアイアンでは、ついにストロングロフト化の終わりが見えてきて、飛び系アイアンブームが終息していく予感がします。
流行予想1 ハイテクノロジー系のパターが主役に
「ハイテクノロジー系のパターは以前からありましたが、24年モデルの“Ai-ONE”などはあきらかにミスヒットしたときの球の転がりが違うことが実感できる。打球のスピードだけではなく、スムーズに順回転するのもプロが使いたくなる要素のひとつです」
流行予想2 ドライバーは超・高慣性モーメント時代に
「今までも慣性モーメントの大きいドライバーはありましたが、24年はもう一段階上の超・高慣性モーメントのドライバーが主役になるでしょう。海外ツアーではプロが使いはじめていて、曲がらないから思い切り振れて飛距離を伸ばせるのがメリットのようです」
流行予想3 アイアンのストロングロフト化の終わり
「飛び系アイアンが大流行して7番アイアンが28度未満のモデルが増えましたが、昨年後半から7番アイアンのロフトが30度前後に戻りつつあります。プロもアマチュアも極端にロフトが立ったアイアンは使いにくいというのを実感したのではないでしょうか」
解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一
写真=田中宏幸
取材トーナメント=樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント