単独ライブを止めるとすべてが止まる
――毎年、コンスタントに単独ライブを開催していますが、COWCOWの活動において単独ライブはどのような位置付けですか?
善し ライフワークというか、ライフスタイルというか……。舞台で寄席ネタをやるというのは、吉本では当たり前なんですけど、単独ライブについてはデビュー当時から憧れがありました。それをやらせてもらえるようになってから、こうして毎年行っているというのは、単独ライブに向けてつくったネタを後々、寄席やテレビで披露する流れになるので、これ(単独ライブ)やらんかったら、ちょっと(COWCOWの活動が)止まるよねという感じで……。
僕らは年の初めからここ(単独ライブ)に向かって動き始めるので、ほんまにライフワークですね。
出典: FANY マガジン
――先ほどの話にも出た「THE SECOND」を意識することはありますか?
多田 挑戦する限りは……。昨年はギリギリで決勝へ行けなかった年(ベスト16)のライブだったので、次こそはという思いもあって、漫才だけに振り切ったところはありましたね。
今年も漫才を中心に、とも思ったんですけど、コントもできたし、番組で歌ネタを作る機会もあったりして、そのへんも披露したいなと。でも、あくまで漫才が幹なので、ここがグダグダになってしまうと、枝に付いている花がきれいに咲かなくなっちゃうんですよね。だから、幹である漫才はしっかりやりつつ、枝葉として、いろいろな面白さを見せられるライブになるかなと思っています。
(広告の後にも続きます)
30年を超えたから見えてくる景色がある
――昨年、30周年という大きな節目を迎えましたが、今後はどんな展望を持っていますか?
善し “継続”というのが大きな目標になっていくと思うんですよね。夢のない話ではありますけど、継続のみ(笑)。どんなところにたどり着くのか、ここからああなる、こうなるというのは、継続した先にあるものなので、結局、継続しかないんです。
もちろん、そのなかでテレビに出たりとか、さまざまな活動があるんですけど、まずは継続しないと何もないんだという思いが、30年やってきて、より強くなりました。
あとは、コロナ禍も大きかったですね。僕らは奇跡的に毎年(単独ライブが)できましたけど、これまであたりまえのように続けてこられたことが、続けられなくなるという経験をして、継続できることや、お客さんが来続けてくださることのありがたさが身に沁みました。
もちろん、ああなりたい、こういうふうにやっていきたいと望むこともありますけど、基本は単独ライブをやって、継続していくのみです。
出典: FANY マガジン
多田 結成30年というのはかなり大きくて、20年、25年あたりは、長く続いているけど、数字的にはまだ中途半端な感じでした。でも“30年”って、けっこうな節目と言いますか、周囲から「30年!」と言っていただくことが多いんです。
何をやっても、ちょっとウケやすくなってきてるんじゃないかと。「30年を超えてるのに、まだそんなことやんのかい」とか、「まだそんな緊張してるんかい」とか、「そんな若手と混じって出てくれるんですか!?」とか……。
30年を超えたからこそ見えてくる景色といいますか、まわりからもらえるリアクションがあって、やっぱり続けてきてよかったなと思うんです。想定外の笑いが付いてきたという感じ。
なので、30年でこれやったら、この先、続ければ続けるほど付加価値の笑いが膨らむわけで、相方が言ったとおり“継続”してなんぼだなと。もちろん、僕らの世代が憧れた先輩芸人さんは、若くして売れる方が多かったので、そういうことを目指した時期もありましたけど、30年を越えたらもう、続けていくおいしさしかないというか、もうどんどんおいしくなっていくやんと。「(COWCOW結成時に)私生まれてないです」っていうタレントの女の子と僕らが並んで、一緒に何かをするという面白さはありますよね。