熱いものが胸にしみる、声がかすれる
症状1:熱いものが胸にしみる
熱いものを飲んだり、食べたりすると胸のあたりがしみた感じがするというのは、他の病気ではあまり見られない症状で、食道がんの特徴です。
熱いものが胸にしみるようなら、すぐに医療機関で検査をしてもらってください。
症状2:チクチクとした胸の違和感
食べ物を飲み込んだときに、胸にチクチクした痛みを感じる、普通にしていても違和感を覚えるのも初期症状の一つです。食道がん以外にも肺など、他の臓器からのサインかもしれないので、医療機関を受診しましょう。
症状3:食べ物がつかえる
初期症状とはいえないのですが、食道にがんができ、進行すると食べ物がつかえます。
日常生活の中でちょっと大きなものを食べてしまって、つかえる感じがあるとか思いますが、食道がんの疑いのあるつかえる感じは頻度が多くなります。
1カ月前は1回しかそんな感じがなかったのに、最近は2~3回食べ物がつかえるようだったら、食道がんの疑いは強くなります。
ただし、逆流性食道炎でも食べ物がつかえる感じが出てくるので、内視鏡検査をするようにしてください。
症状4:声がかすれる
声帯を司る反回神経は食道のすぐ近くを通っています。食道のがんが大きくなるとその神経を触ってしまい、障害がおき、声がかすれるようになります。
声がかすれると声帯、咽頭、喉頭など喉の症状という可能性がありますが、1~2週間経っても治らない場合は、医療機関を受診して検査しましょう。
症状5:胸や背中の痛み
がんが進行してくると、食道の周りの神経を傷つけてしまうため、胸や背中に痛みを感じるようになります。
胸や背中の痛みは筋肉痛と見分けがつきにくいかもしれませんが、筋肉痛は動いたときや体勢を変えたときに痛みを感じますが、内臓が悪い場合は、じっとしていても痛みを感じることが多いです。気になるようでしたら、早めに医療機関で受診してください。
以上のような気になる症状がある場合は、医療機関で食道がんの検査を受けましょう。
食道がんの検査は一般に胃カメラ検査を行います。内視鏡で食道の中を観察し、がん細胞がないか確認します。
また、がんが疑われる箇所があった場合、組織を少量採取し、生検を行い、がん細胞を確認することもできます。
飲酒をすると顔が赤くなる、飲酒や喫煙の習慣のある人や中高年の人は、年に1度は、胃カメラ検査をすることをおすすめします。
取材・文/百田なつき