スタート前のパッティング練習では、自分の距離感と実際にボールが転がる距離との誤差を把握しましょう。ポイントはボールが転がるスピードです。そのスピードに応じて、パターを振るスピードが決まります。
1パットで狙っていいのは
2.5メートル以下の距離
パッティングを行なう際、1パットで狙っていいのは2.5メートル以下の距離。それ以上長いときは、半径1メートルの円内にボールを入れましょう。基本的に、カップの両サイドに大きく外すことはないと思います。ところが、カップの前後に大きく外すことは珍しくありません。まずは、縦の距離感をしっかり身につけること。そのためには、ボールがどれぐらいのスピードで転がればいいかを見極めましょう。
50センチの距離ならカップインの確率は高いですが、1メートルの距離ならカップインの確率は5割、1.5メートルになると外す確率の方が高くなります。まずは1メートル以内に寄せることを目指しましょう。
ボールを手で転がして
スピードを見る
例えば10メートル先にある目標に対していきなりパターでストロークするよりも、手でボールを転がした方が、ボールが転がるスピードのイメージをつかみやすくなります。あとは、そのスピードでボールを転がすには、どれぐらいの速度でパターを動かせばいいのかを考えましょう。ボールを転がす時は、できるだけ低い位置から転がしてください。
フェース面を
“右手のひら”とイメージ
実際にストロークするときは、手で転がしたときと同じスピードでボールを打ち出せるようにヘッドを動かす。距離が長ければ速く、短ければゆっくりと動かす意識を持とう。
上手く打てない人はグリップがボールだと思い、右手でグリップを投げるイメージでストロークしてみよう。もしくは、フェース面を右手のひらだとイメージし、ボールを投げるように右手を動かしてみよう。
大庭啓
●おおば・あきら/1969年生まれ。芹澤信雄が主宰する“チームセリザワ”の一員。00年プロテスト合格。10年から藤田寛之のスイングサポートコーチを務め、賞金王のタイトル獲得に貢献。海外メジャーにも同行しサポートを行った。アマチュアのレッスンにも精力的に取り組み、分かりやすいゴルフ理論には定評がある。
構成・文=山西英希、写真=山上忠、協力=富士平原ゴルフクラブ