「後ろの配球の責任が大きい」ビルドアップを封じられ敗戦の柏戦で湘南DF髙橋直也が感じた課題「自分のミスが増えてしまっている」

 8月17日、湘南ベルマーレはJ1第27節で柏レイソルとホームで対戦し、1-2で敗れた。

 湘南にとって、6月30日の京都サンガF.C.戦以来、リーグ戦6試合ぶりの黒星だ。シーズン後半戦に差し掛かった6~7月頃に以前のハイプレスを基軸としたスタイルからポゼッションを志すサッカーに切り替えて以降、好調を維持。前節のFC町田ゼルビア戦までの5試合を4勝1分の無敗で過ごしたが、柏戦では3バックの両脇に強く寄せてくる相手の守備に苦しんだ印象だった。

 勝利を収めてきた近頃のゲームでは、相手のプレスを受けても両ストッパーの個人技や周囲との連係で局面を打開し、攻撃につなげられていた。前節以前の5試合と柏戦では、何が変わったのか。3バックの右に入った髙橋直也は次のように振り返る。

「相手に狙われているというか、いつもよりも自分のところに強くプレスが来る感覚がありました。また、右サイドでユニットを組む自分と(池田)昌生くんや(鈴木)雄斗くんの距離が遠かった。飲水タイムでふたりと話して距離感を修正して、途中からスムーズになった部分もありますが、次は最初からそうできるようにしなければいけません。

 攻撃面でチャンスを生めなかったのは、前線ではなく、後ろの配球の責任が大きい。最近、良いサッカーができていたように、3バックのジュン(鈴木淳之介)や(キム・)ミンテさん、アンカーの(田中)聡でもっと運べれば、前の選手も気持ちよくプレーできるし、点も取ってくれるはずなので」
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 ストッパーが相手のプレスを剥がせると、一気に敵陣へと攻め込める。一方、最終ラインでボールを奪われれば、即座にGKと1対1の場面を作られかねない。好調を維持してきた湘南の武器は、大きなリスクもはらんでいる。柏戦は、その事実が顕在化した一戦だった。

 髙橋は次節以降の改善を誓う。

「判断のところもそうですし、周囲との連係、パスの精度も含めて、自分のミスが増えてきてしまっている。大事なのは、ボールを受ける前のポジショニングと準備。それが良ければ、相手のプレスに臆せず、前を選べます。また、つなげない時は簡単に前線の選手の背後を使えば、相手も簡単にはプレスをかけられなくなるはず。その辺りも含めて、修正していければ」

 今後、柏のように、湘南の3バックに対して強く牽制をかけてくるチームが増えるかもしれない。両ストッパーの個人技で解決するのか、連係面を強化するのか、ハイプレスをかけてくるなら、と、空いた背後のスペースにボールを蹴り込むのか。

 相手の対策を上回る手段はいくつもある。変化を見せている湘南が、さらなる成長を見せられるか、注目したい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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