「目を覚まさなきゃいけません」湘南が6試合ぶりの黒星、山口智監督が語る敗因「負担を分散できず、個人の度量が大きくなってしまった」

「非常に残念な結果です」

 7月以降のリーグ戦5試合は4勝1分。好調を維持したなかで迎えたJ1第27節の柏レイソル戦。試合前の時点で16位の湘南ベルマーレにとって、15位の柏との重要な“6ポイントマッチ”だったが、相手のプレスに苦しめられ、1-2で6試合ぶりの敗戦を喫した。

 5戦負けなしの勢いを持ってゲームに臨めた一方で、多少の慢心もあったのかもしれない。湘南の山口智監督は、力強い言葉も用いながら柏戦を振り返った。

「相手の圧を受けたなかで、剥がし切れなかったのが大きなポイントになってしまった。1失点目は、早く始める必要のないスローインを急いだ結果、かっさらわれるという、自分たちで招いた形。うちの守備のコンセプトで言えば、中央を突破される形は、絶対にやらせちゃいけなかった。

 2失点目に関しても、単純なロングボール。あれに対してどこにクリアするのか、またこぼれ球に対しての反応も悪かった。現状の実力では、今日のような失点を自ら招いてしまうということだと思うので、目を覚まさなきゃいけませんし、もう一度、みんなで徹底したいです」
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 7月以降のゲームでは、3バックの両脇で相手を引きつけて、フリーの選手を作る形の攻撃が上手くハマっていた。だが柏戦では、失点以外の場面でも単純なミスが散見。湘南のビルドアップの起点となる両ストッパーが相手のプレスを受けて、自陣でボールを失ったり、パスがずれるシーンがあった。

 ただ、指揮官は柏のプレスについて、「(前節の)町田さんとそこまで変わりはない。想定の範囲内だった」と回想。では、なぜミスが増えたのか。「理由は自分たちにある」と山口監督は語る。

「特に(髙橋)直也と(鈴木)淳之介(両ストッパー)のところは、ボールを運ぼうとしても、テンポや時間が足りなかったのかなと。彼ら個人の問題というよりも、チームとしての課題です。全体での揺さぶりやアクションは、もっとできたと思います。

 今日は負担を分散できず、個人が受け持つ度量が大きくなってしまった。チームとしてやりたいことは整理できていると思いますが、個に頼りすぎないように、もう一度、映像を見て振り返りたいです」

 J1残留を争うライバルとの直接対決に敗れたショックは大きいかもしれないが、山口監督が語ったように、「目を覚ます」きっかけにできるゲームになったとも言える。もう一度スイッチを入れ直し、前節までのような戦いを取り戻したい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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