みなさま、「魚卵 レシピ」で検索して不満を覚えたことはないですか? 私はあります。
なんで煮つけのレシピしか出てこないのおおおォォォ!!!!
煮つけももちろん美味しいのですが、立派な魚卵が手に入ったらたまには変わった料理法で食べてみたいですよね。
てことで明太子を作ってみました! シイラの卵で!
まずはアニサキス対策
魚卵には寄生虫のアニサキスがいる可能性があります。
なのでアニサキス対策としてまずは冷凍します。
アニサキスは-20℃で24時間以上冷凍すると死滅するそうです。しかし一般家庭の冷凍庫内の温度は18℃程度と言われています。
18℃でも長めに冷凍すれば大丈夫な気はするものの、「どれぐらいの時間で死滅するのか?」は残念ながらデータがないため「大丈夫!」と断言はできません(・ω・;)なのでここは自己責任で試します!
冷凍庫って結構開け閉めするので庫内の温度が上がってそうだし、しっかり芯まで凍らせるために、今回は5日間シイラの卵を冷凍庫で寝かせました。
※家庭用冷凍庫で5日間凍らせることで本当にアニサキスがきちんと死滅するかは分かりませんのでご注意ください。
明太子作りの下準備
立派で大きくプリプリなシイラの卵!
解凍後、塩分濃度3%の塩水に1時間ほど漬けてから、血(血管)や汚れなどをつまようじで取り除いて洗います。
次に塩分濃度10%のお酒に一晩漬けます。お酒の量は魚卵が被る程度でOK! 塩が溶けづらいのでよくかき混ぜてお酒にしっかり溶かしてください。
お酒から取り出して洗い、水気を切ってラップをせずに1~3時間ほど冷蔵庫で乾燥させます(調味液を染みこみやすくさせるため)。
これで下準備はOKです!
明太子の材料
唐辛子15g
※韓国産のものがコクがあって辛すぎないのでおススメです。他の国のものを使う場合は味見をして辛さを調整してください。
昆布4g
かつお節4g
酒250ml
醤油50ml
砂糖10g
ゆずの皮のすりおろし半個分
明太子の作り方
①酒、醤油、砂糖、昆布を鍋に入れて火にかけ調味液を作ります。沸騰直前にかつお節を入れて、沸いたら火を止め、かつお節が沈んだら濾します。
②調味液が熱いうちに唐辛子を入れて混ぜ、粗熱がとれたらゆずの皮のすりおろしを加えます。
③調味液が常温まで冷めたら魚卵に注ぎます。
④不繊布ペーパーを被せて落とし蓋をして、4~7日ほど冷蔵庫で寝かせます。
これで仕込みは終わりました! 完成が楽しみです!
シイラの明太子完成
無添加・無着色でじっくりコトコト漬けさせてもらったためかなんか黒いぞ……マズそう……。
それでは早速食べてみたいと思います!
白米とシイラの明太子
まずは白米と一緒に頂きます。
通常の明太子よりも水分量が多くてビチャビチャ。皮は調味液で黒ずんでるけど、割ったら中はオレンジでウニみたい。美味しそう!
(。・н・。)パクッ ふむ。いつも食べてる明太子よりも粒がしっかりしていてねっとりしています。
通常のスケトウダラの明太子よりも魚介らしい旨みが濃いです。
数の子にちょっとだけいくらを足したようなお味です。
ほぼ数の子。水っぽい数の子ですね。そしてなぜか苦味が強い……(・ω・;)
ご飯とはそんなに合わないし、正直生のままだとあんまり美味しくない……。
でも酒のツマミとしてちょびちょび食べるのはありかも。
水分量が多すぎるので、下準備の段階で塩をまぶし数時間寝かせて水を抜く作業を入れたほうが良さそうです!
シイラの明太子パスタ
フライパンにバターを熱し、そこにシイラの明太子とパスタを投入して混ぜ、醤油大さじ1ぐらいを垂らして味付けしました。
トッピングは大葉と海苔です。
シイラの明太子をバターで炒めると、なぜかソテーした椎茸の香りがします。匂いは美味しそう! いただきます!
(。・н・。)パクッ 濃厚!!!! 味付けは醤油をちょっと垂らしただけなのに、魚介の旨みが詰まったパスタの味がする!!!! これは美味しい!!!!!!
普通の明太子スパゲッティよりも旨みが強く、白身魚の風味のあって、明太子&魚のパスタを食べている感じです。
一般的な明太子パスタとは似て非なるもので、決して代用品などではなく、「シイラの卵パスタ」と呼ぶべき一品です!
そして前回の記事でレポートした、シイラの他の食材を美味しくする能力は卵にも宿っているようで、バターや麺、青じそ、海苔の風味や旨みが際立っていてめちゃめちゃ美味しいです!!!!
シイラ明太子の煮つけ
冒頭で「なんで魚卵レシピは煮つけばかりなの!!」と文句を言いましたが、やはり王道の煮つけも試して他の魚卵との味を違いを確かめておきたいと思います。
ふむ、割ると魚卵だけの集合体ではなく、魚の身の周りに卵が付いてるみたいになってます。だからパスタを食べた時に魚の旨みを強く感じたのかしら?
では頂いてみます(。・н・。)パクッ
なにこれ苦い!!!!!
最初に感じるのは強い苦味です。
しかし次の瞬間、あん肝のようなまったりとしたコクが押し寄せてきます!
そしてやっぱり味は数の子に近いです。数の子にちょっとあん肝を足したような感じです。
シイラの卵は加熱したほうが旨みやコク、甘味などが強く出るので、加熱調理したほうが美味しいです!
でもなんでこんなに苦いんだろう……味自体は美味しいのだけど、とにかく苦味が強くてたくさん食べるのはキツイ……。
シイラの卵が苦いなんて話は聞かないので、明太子作りの過程で苦味が発生する何かが起きたのだと思うのですが……この苦味の元は謎です(・ω・;)
シイラ明太子の天ぷら
「魚卵て天ぷらで食べるとどんな味になるのかしら?」とふと疑問に思い、急遽天ぷらにしてみました。
これはダメだ……旨みが濃すぎて、そして苦味とえぐみと塩辛さも強すぎて、たった一口が飲み込めない……。
加熱することでコクやまろやかさ、複雑な旨みが生まれて味自体は美味しいのだけど……色々な味が濃く凝縮されすぎてて体が拒絶反応を起こし、飲み込むのが辛いです……。
シイラの身はあんなに淡泊でアッサリしてたのに、なんでここに来てこんなにクセを出してくるんだ君は……。
どこで間違えてこんなに苦味とえぐみが強烈な仕上がりになってしまったのだろう? 明太子の調味液を作る際に昆布を加熱しすぎたのかしら? それとも唐辛子の苦味とえぐみが出てしまったのかしら?
この苦味とえぐみがなければ美味しいのだけど……単体ではとても食べられないので、残りの天ぷらはブロッコリーのサラダなどにふりかけて頂きました!
シイラ明太子感想
シイラの卵は旨みとコクが強いので、明太子よりもカラスミのほうが合うかもと思いました。
単体で食べるよりもパスタの具やトッピングにするなど、調味料的なポジションで扱ったほうが美味しいです!
そして今回苦しめられた苦味とえぐみの元はいまだに謎のままです……明太子作りはなかなか奥が深そうですね!
未知のレシピに挑戦するのはちょっと勇気がいりますが、予想外の味に出会えたり、失敗してもそれ自体に学びが多いので、ぜひみなさんもいつもと違う調理法を試してみてください(・∀・)
※画像は全て筆者撮影
参考
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/f_encyclopedia/anisakis.html[リンク]
https://r-tsushin.com/recipe/diy_recipe14_cero/[リンク]
(執筆者: ゆずくん)