漫才劇場での心霊より怖い話
—劇場とかスタジオとかって、機密性が高いからお化けの居心地がいいみたいなことを聞いたことがあるんですけど、そういう経験ってされましたか。
友保 ああ、東京のどっかのビルに絶対出るみたいな。なんかあるらしいんですよ。天井から上半身のお化けが出てくるって。
小林 あーーあれどこやったっけ。
友保 スタジオなんよな。すごい有名で映画にもなったらしいんですよ。こんどその映画の2もやるって。「今度は下半身も!」って(笑)。
—三茶のヨコザワプロダクションですね。
友保 昔baseよしもとあったときはめっちゃ聞きましたよ。舞台上に女の子2人おるって。「あの子たちはずっとおるけど、何やったの?」みたいなアンケートがいっぱいきたりとか。NGK(なんばグランド花月)で心霊イベントやったら絶対ブレーカー落ちるとか.
小林 心霊イベントやる前は塩盛るんよな。
友保 で、その塩がすぐ黒くなる。あと新喜劇の座員の人が便所でシコってるとか。
—え。誰ですか。
友保 いや名前は言えないです。名前は絶対言えないですけど、あとシコり方のレクチャーも受けました。けど、これは絶対に書かないでください。
—どんなレクチャーを…。
友保 トイレットペーパーを取るところから教えてもらいましたよ。「こうやって巻いてな」と。
小林 ルーティン化してるやん。毎日してるな(笑)。
友保 そうや、俺西成の家引っ越したとき、一番最初に風呂入ったんですよ。お風呂のドアが擦りガラスで、頭洗ってたら完全に誰かそこを通り過ぎたんですよ。みんな上で寝てるのに。でも、なけなしの30万円払って引っ越したんで、いまさら出てかれんし、むっちゃムカついて大声で怒鳴ったんですよね。「ええ加減にせいコラ!ワシ金払ってんねんから!びっくりさすのはちゃうやろ!」みたいなこと言いまくったら、やっぱ出えへんようになりました。
(広告の後にも続きます)
お化けよりも暴走族よりも最も怖いもの
—心霊殺しですね。
小林 お化け、元人間やもんな。
友保 絶対許されんもんな、いまさら。払う前に出ろよ!
小林 あと、これはお化けかさておき……事実だけ言いますよ。心霊スポット行った帰りに事故起こしました。
—ええ?
友保 違うねん。俺も一緒に行っててんアレ。違うねん。滝畑ダムっていう心霊スポットね。第三トンネル探しに行って。いや違うんですよ。
小林 その帰りに事故を起こしたという事実はあります。
友保 違うねん。お前が勝手に盛り上がって何でもない緩やかな横道でコケたんや(笑)。
小林 これも事実なんですけど、滝畑ダム行く途中に僕の乗ってたリトルカブは1速やのに坂道上れんとエンストしました。
友保 弱いからや。馬力ないからや。50ccやからや。あんな弱い、クーピーペンシルみたいなバイク。
小林 あれも霊の仕業。
友保 お前のカブが弱かったんや。そもそもリトルってついてるし(笑)。
小林 イマチューがあの辺の心霊スポット行くの好きやったよな。廃病院とか。
友保 大和川のリバーサイド病院な。でも、いっちゃん危ないのは野犬って聞いたよ。一番野犬が危ないって、お化けよりも暴走族よりも。
小林 野犬どうしようもないもんね。
友保 もう行くことないですね、心霊スポットは。ええ歳になって。全然お化けより税金のほうが怖いもんな。書類見て肝冷やすもんね(笑)。
取材・文/西澤千央 撮影/高木陽春