2024年8月31日、国立競技場ではFC町田ゼルビアと浦和レッズの一線が開催された。もはやお馴染みの4-4-2システムでスタートさせた町田は立ち上がりから圧力をかけて、浦和ゴールに迫る。シンプルかつ効果的な縦パスで敵陣に侵入し、いくつかチャンスを作りかけた。
ボールを奪われれば、FWの藤尾翔太、右サイドハーフの荒木駿太らが素早いチェイシングでプレッシャーをかけ、浦和を窒息させようとする。相変わらずチームとしてまとまっている印象で、決して悪くないパフォーマンスだった。
ただ、肝心のゴールがなかなか奪えない。20分に藤尾が決定機を外せば、30分にはコーナーキックのチャンスからオ・セフンが放ったヘディングシュートは相手GKに防がれるなど、好機をモノにできなかった。
そして押し気味に試合を進める中、37分、セットプレーから浦和の関根貴大に先制弾を決められた。シーズン前半戦に自分たちがやっていたような展開を、相手にやられてしまう。決めるべきところで決めず、少ないピンチで失点。このあたりに町田の勢いのなさを感じた。
49分にナ・サンホのクロスからオ・セフンがヘッドで同点弾を沈めたあと、町田はこの韓国人コンビを軸に複数の決定機を演出した。前半以上にチームとしての勢いを感じたものの、後半も攻め込みながらゴールを挙げられない時間帯が続いた。
すると、87分、一瞬の隙を突かれて浦和のチアゴ・サンタナにヘッドでゴールを決められてしまった。シーズン前半にはあまり見られなかった“あっさりとした失点”は気がかりだ。
最後の最後にエリキのゴールで追いつき、劇的な形で敗戦は免れた。とはいえ、素直に喜べない部分はあるだろう。実際、同日にFC東京を破ったサンフレッチェ広島に首位の座を譲ってしまったのだから。
当然ながらリーグ優勝の望みは十分ある。今後、町田が白星を積み上げるにはナ・サンホとオ・セフンの活躍が必須。突破力に秀でた前者と、ポストプレーヤーとしても重要な役割を果たす後者が抑え込まれるようだと厳しい。
いずれにしても、正念場を迎えている町田。再び勢いに乗れるか。底力が問われる。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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