2024年8月31日に国立競技場で開催された浦和レッズ戦、ホームのFC町田ゼルビアは土壇場で追いついて2-2と引き分けた。ただ、勝点1を拾ったというよりも勝点2を失った印象のほうが強い。
実際、シュート数は町田が17本で浦和が6本。このデータが示すように、チャンスの数では町田が上だった。それだけに、町田の黒田剛監督も悔しさを露わにする。
「シュートは打っていますが、なかなか1本が入らない。無人のゴールでも、ドフリーでも入りませんでした。プレッシャーはあるはずですが、シュートのスキルのなさが最後までつきまとったゲームでした」
「1本中の1本」を掲げる町田らしくない戦いぶりだった。光ったのは少ないチャンスをきっちりモノにする浦和の勝負強さで、だから黒田監督も「大いに反省すべき試合になった」とコメントしている。
3バックに変更した後半は押せ押せムードで良い形から得点機を作れていた。それでも一度もリードできず、引き分けるのが精いっぱい。指揮官の「ただただ勝点3が遠かった印象」というコメントはこの日の町田を象徴している。
黒田監督が疑問視したのは、後半にエリア内で藤本一輝が倒されたシーンだ。
「改めて映像で見ても明らかなのに、なぜPKをもらえなかったのか。ちょっと問いたいなと。明らかに抜け切って後ろから服を引っ張られて倒されているので。VARが入ってもあれが流される。何が正しいのか、何がファウルで、何がそうでないのか。そのあたりはしっかりと見解を示してほしいです。
クレームではなくて、試合を平等な目で見た場合、何が正しいかをきちんと、はっきりと回答してほしいです。周りで見ていたスタッフ、レッズの選手たちも含めて『あれは完全にPKでした』と言っていたぐらいですから。間違いはないでしょうけど、それでもレフェリーが認めないところはちょっと我々としては腑に落ちない」
確かに不可解に映ったジャッジもあったが、結局は決定力のなさが招いた引き分け。決めるべき局面で決めていれば苦しむことはなかったはずだ。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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