いつのシーズンだったかは正確に覚えていないが、間違いないのは長谷川健太監督が率いていた頃だ。
プロキャリアをスタートさせた清水エスパルスで、すでに重鎮と呼ばれる存在だった伊東輝悦に試合後、ミックスゾーンで取材していると、解説で日本平に訪れていた前園真聖氏がすぐ側を通り過ぎる。
かつてアトランタ五輪で共闘した元アタッカーは、歩きながら伊東に向けてこう言った。「まだまだできるよ!」。“テル”の愛称で親しまれるボランチは照れたような、嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
1993年から在籍した清水を離れたのは2010年。その後は11年に甲府、14年に長野、16年は秋田と渡り歩き、17年からは沼津でプレーしている。
沼津で8年目を迎えた今季、8月31日に50歳の誕生日を迎えた。ついに大台に到達。前園氏の「まだまだできるよ!」は今も続いているのだ。
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現役Jリーガーで最年長。先日に前園氏のYouTubeチャンネルに出演した際には、伊東は「プレーするのが面白い」と語っていた。
「今だったらサッカーがちょっとフィジカルが何とかって言うけど、そのなかでも上手く立ち位置を取ったりとか、タイミングとか駆け引きとか、そういうことをやるのが楽しい」
とにかくサッカーが好きなのだ。ピッチに立ってボールを蹴るのが何よりも喜びなのだろう。
“鉄人”とも言われる伊東は、かつて清水時代にこんなことも言っていた。
「連戦だから疲れるって? 全然。試合は楽しいじゃん。試合をやってるほうが楽だよ。練習はあんまり好きじゃないしね(笑)」
今季はまだリーグ戦でベンチ入りもない。それでも、あまり好きではないという練習に励んでいるはずだ。サッカーがとにかく大好きなのだから。
文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)
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