支援制度の3タイプを使いわける
お金防衛術の肝となるのが国などの支援制度の漏れなき活用ですが、使い方に注意が必要なものが存在します。
①お金の支払いを全額or一部免除してくれる「免除タイプ」(大学の授業料減免など)
②お金をもらえる「支給タイプ」(育児休業給付金など)
③お金を借りられる「借入タイプ」(貸与型奨学金など)
このうち①と②は純粋に経済的な支援を受けられる「もらえる」ものなので、デメリットはありません。最大限利用するために、申請できるものがあれば、期限内に確実に手続きしましょう。
ただし、③は返済義務があるので注意が必要です。受け取ったお金はいずれ返さなければいけません。使い方を間違えると後で返済に困る可能性も……。
かくいう私も、一人暮らしをして私立大学に通うために月16万円もの貸与型奨学金を借りていました。その結果、卒業時には元本と金利を合わせて約1千万円もの返済義務を負うことに。
恥ずかしい話、大学生になった頃は奨学金の返済についてきちんと理解しておらず、「利用できるものは最大限利用しよう」という考えでした。そして、「奨学金が使えるから」という安易な考えで、私立大学への入学を決定。学費がほとんどかからない公立大学にも合格していたのですが……。
(広告の後にも続きます)
ピンチの時こそ「お金を守る方法」を探そう
とはいえ、貸与型奨学金も活用法次第。
貸与型奨学金は、普通に銀行などでお金を借りるよりも条件が優遇されています。金利がかからなかったり、返済期間を長くとってもらえたり……メリットもあるので、一概にダメとは言えません。活用次第で強力なお金防衛術となります。
給付型と貸与型を組み合わせることで、よりお金の問題を解決しやすくなる、なんてことも。
なかには借入タイプでありながら、状況によって支給タイプに変化する特殊なものもあります。
たとえば、低所得者や高齢者、障害のある人などの生活を経済的に支えることを目的とする「生活福祉資金貸付制度」。
一定額のお金を無金利で借りられる制度ですが、返済時期が来た後も病気で働けなかったり、失業したりして、経済的に苦しい状況が続いた場合、返済猶予や返済免除を受けられます。状況次第では、借りたお金は返さなくてよくなるのです(*)。
(*)連帯保証人を立てた場合のみ。連帯保証人を立てなくても借りられますが、その際は年利1.5%。新型コロナのときは特例として「無利子・保証人不要」でした。
不安はピンチになったときの姿を想像して生まれますが、このように、ピンチのときにも「お金を守る方法」は存在してくれています。
それを知るだけでも、心が少し軽くなりませんか?
写真/shutterstock