吉本新喜劇と伝統芸能の文楽と講談が初めてコラボレーションする『伝統芸能新喜劇』が、10月22日(火)、23日(水)の2日間にわたって大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA SSホールで開催されます。伝統を重んじる文楽や講談と、アドリブ勝負の新喜劇──。まさに対極にある“上方文化”を、どう融合させるのか!? 8月29日(木)に大阪市内で開かれた取材会では、吉本新喜劇の内場勝則をはじめとする出演者らが、ざっくばらんに意気込みや構想を語りました。
出典: FANY マガジン
「きっちりとふざけていきたい」
取材会には内場のほか、脚本・演出の久馬歩(ザ・プラン9・お〜い!久馬)、文楽の豊竹芳穂太夫(太夫)、鶴澤友之助(三味線)、吉田玉翔(人形遣い)、そして講談師の玉田玉秀斎が出席しました。
「古典芸能と、いちばん伝統を重んじない新喜劇のコラボ。未知の世界ですけど、楽しいものができそうな気がします。僕も楽しんでやっていきたい」
冒頭からこう意気込んだ内場は、伝統芸能という未知なるフィールドに興味津々の様子です。
一方、文楽の芳穂太夫と友之助はいずれも大阪生まれの大阪育ちで、子どものころから新喜劇に親しんできたため、今回のコラボに大喜び。それぞれ、こう語りました。
「まさか、このような形でかかわらせていただく日が来るとは。伝統を重んじる世界だけに『何をやっとんねん、あいつは』と言われないように、きっちりとふざけていきたい」(芳穂太夫)
「友だちに自慢しまくってます(笑)。文楽も江戸時代の大衆芸能なので、お客さんが楽しめるようにやろうということは変わらない。歩み寄っておもしろいものができると思う」(友之助)
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3つの芸能が融合する舞台に
人形遣いの玉翔は「民放が2チャンネルしかなかった」という高知県出身ゆえ、現在、BSよしもとで新喜劇を勉強中とのこと。今回の公演の意義について、こう話します。
「文楽にはどうしても堅いイメージがあるので、コラボして新しいものを生み出し、『おもろいんやな』と思ってもらいたい。僕は人形師なので、3人遣いの人形をいろんな方に見ていただきたい気持ちがある」
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これまでにジャズや踊りなど、さまざまなコラボを経験してきた講談師の玉秀斎は、新喜劇との共演について、「ものすごい反響がありまして。同じ人間がやってるのに、この差はなんなんだ」と苦笑い。そのうえで、「世界の文楽、日本を代表するお笑いの新喜劇に乗っからせていただき、講談の可能性を広げせていただきたい」と意気込みました。
個性豊かな面々をたばねる“西のコント番長”久馬は、20年近く前、文楽との企画が立ち上がったものの流れてしまったと明かしながら、「今回、実現できてよかった」と感慨深い表情。そして構想段階の今回の公演について、こう明かしました。
「(伝統芸能と新喜劇が)別々になるのはおもしろくないから、文楽の人と新喜劇が絡んだりという化学反応で楽しんでいただきたい。新喜劇も伝統芸能の域に達していると思うので、3つの芸能がおもしろいひとつの作品になれば」
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