NON STYLE・石田明による東大生に向けた「漫才ワークショップ」が、9月2日(月)に吉本興業東京本部で開催されました。このワークショップは吉本興業と東京大学がコラボした「笑う東大、学ぶ吉本プロジェクト」の一環で、この日は東大の学部生、院生あわせて12人が参加。「講義編」と題されたこの日のワークショップの翌週の9月11日(水)には「ライブ編」として、東大生たちがヨシモト∞ドームでネタを披露します。今回は、石田の“完璧すぎる”講義内容と、さっそくネタづくりに奮闘する東大生たちの様子をお伝えします!
出典: FANY マガジン
ネタづくりでは「自分の常識を疑え」
「講義編」のこの日は、漫才の体験を通じてコミュニケーションに関する新しい知見を得てもらうことを目的に、「ネタのつくり方」「ボケ/ツッコミとは」「オチの考え方」などをテーマに石田が講義をしたほか、実際に東大生に漫才のネタづくりからネタ合わせ、ネタ披露までを体験してもらいました。
会場に集まったのは、学年も学部・研究科もバラバラ、全員ほぼ初対面の12人の東大生たち。MCのシシガシラ(浜中英昌、脇田)が趣旨説明をしたあとに、東大生たちが自己紹介を済ませると、さっそく石田の講義が始まります。
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「ネタのつくり方」について、テーマ選びのポイントを「まずはなんでもいいので話題をつくる。ポピュラーな話題であればあるほどお客さんは共感しやすいけど、そのぶん(ほかのコンビとのネタの)カブりが多くなってリスキーでもある」と論理的かつ明快に説明する石田。
「だから、ポピュラーなネタでいくなら、エッジの効いたボケを入れることでリスクを回避します。逆に、偏ったテーマでいくならなるべくベタなボケを入れていくとウケやすいのかな、と思います」
さまざまな具体例を挙げながら、「自分の常識を疑いながら進めていったほうがいい」「コンビのどちらも話題に意見を持つことで、会話に説得力が生まれる」など、ネタづくりの際に留意すべき大事なポイントを伝えていきます。
出典: FANY マガジン
その後も「ボケとツッコミとは」や「オチの考え方」、また実際に舞台で漫才をする際には「痴話ゲンカを共通の友だちに話している(聞いてもらっている)感じ」で、観客に話しかけることで意見を持ってもらい、観客の集中力を保つことを心がけるのが大事……などなど、漫才をするうえで大事なことを惜しげもなく伝授していきます。
そんな石田の講義は東大生だけでなくシシガシラにも響いたようで、「めっちゃ勉強になりました!」と脇田が感嘆の声を上げていました。
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芸人では思いつかないネタを披露する東大生も
講義のあとは、学生たちがネタづくりと漫才に挑戦。シシガシラの2人が「参考に」と漫才を披露したあとは、即席でコンビを組んだ学生たちが、ネタづくりとネタ合わせを進めていきます。
約1時間半で完成させたあとは、実際に6組のコンビがネタを披露しました。途中でネタを忘れてやり直したり、段取りを間違えてあたふたしたりと、初めてらしくほほえましいシーンもありつつも、講義で習ったことをうまく取り入れ、個性を生かしたテーマやワードの強いネタ、はたまた芸人ではなかなか思いつかない設定のネタなど、バラエティ豊かな漫才を披露する東大生たち。
出典: FANY マガジン
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石田は1組終わるごとに、丁寧に講評していきます。「マイクとの距離が“マイクに怯えてる感”が出てる」と、マイクとの距離のベストバランスについて、シシガシラにマイクの前に立ってもらって具体的に解説したり、「漫才の入りの『どうも〜!』でお客さんは聞くレベルを調節してるから、『どうも〜!』としゃべり始めの音量は合わせたほうがいい」などと細かいところまでアドバイスしたり……。
東大生たちも、翌週に予定されている本番の舞台に向けて、これらのアドバイスを生かそうと真剣な様子で耳を傾けていました。
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