1993年から放送されたTVアニメ『GS美神』のリメイクを待ち望む声が多数あります。原作ファンならすぐに思い当たるであろう、その理由に迫ります。



『GS美神』ビジュアル (C)椎名高志/小学館・東映アニメーション(C)椎名高志・小学館/東映・東映アニメーション

【画像】え…っ?「こんなキワドイ格好の美女が横島と両想いに?」 こちらが大人気な「アシュタロス編」のヒロインです

1993年のアニメも映画化されたほどの人気作

 以前、マグミクス編集部で「懐かしいアニメ、一番リメイクしてほしいのは?」というアンケートを実施したところ、『幽☆遊☆白書』や『ふしぎの海のナディア』、『烈火の炎』などを抑え、倍以上の差をつけてトップとなったのが『GS美神』です。得票数だけでなく熱いコメントも多く、同作のリメイクを望む人びとの思いの強さを感じられました。

『GS美神』の原作は椎名高志先生が「週刊少年サンデー」(小学館)で1991年から1999年まで連載した『GS美神 極楽大作戦!!』です。同作はゴーストスイーパーの「美神令子」と煩悩少年アシスタントの「横島忠夫」、幽霊の「おキヌ」らが悪霊や妖怪を退治していくという物語で、オカルトにギャグ、ラブコメ、バトルなどの要素が融合した人気作でした。その連載中である1993年に放送が始まったアニメ『GS美神』のTVシリーズは全45話あり、1994年には劇場版も公開されました。

「アシュタロス編」もアニメで観たい!

 なぜ『GS美神』のリメイクが強く望まれるかというと、TVシリーズが原作の途中までしかアニメ化していないためです。原作の進み具合などもあるため仕方ない側面もあるかもしれませんが、アニメ化された範囲以降のエピソード、特に魔族「アシュタロス」との戦いを描く長編、通称「アシュタロス編」があまりに面白いため「この話をアニメで観たい」という声が多かったのです。

 この「アシュタロス編」は、序盤からしばらく美神の助手であったものの徐々にゴーストスイーパーとして成長していく横島の覚醒と大活躍、敵ながらそんな横島に思いを寄せてすさまじいきらめきを見せるヒロイン「ルシオラ」の存在などもあり、確かに『GS美神 極楽大作戦!!』の大きな山場と言える内容です。原作を読んでいる人の多くは「この話をアニメで観たい」という意見にうなずくでしょう。

 また近年は『うる星やつら』や『らんま1/2』といった高橋留美子先生の作品をはじめ、青山剛昌先生の『剣勇伝説YAIBA』や皆川亮二先生の『スプリガン』など「週刊少年サンデー」連載作のリメイクが進んでおり、『GS美神 極楽大作戦!!』が再びアニメ化してほしい対象として思い浮かびやすい存在だったのかもしれません。

コンプライアンスもキャスト変更もどうにかなる…はず?

 しかしアンケートや記事に対するコメントでは、リメイクにあたって懸念の声が多く見られました。なかでも1番多かったのが煩悩の塊である横島のセクハラ体質で、「コンプライアンス重視の現代で、彼のキャラクターがそのままで許されるのか」「スケベじゃない横島君なんて横島君じゃない、けど今は厳しいかな……」といった心配する声が多数寄せられていました。なお、似た観点では「横島君の時給が、現在の物価高の御時世に合わせたらいくらになるのか気になる」という声もありました。

 またアニメのリメイクでは必ずと言っていいほど話題になる声優さんの扱いも、『GS美神』にとっては大きな問題です。先述した『らんま1/2』の「完全新作的アニメ」はメインキャストがほぼ続投するというサプライズで反響を呼んでいますが、『GS美神』は主人公の美神役である鶴ひろみさんがすでに亡くなっているため、残念ながらそれは叶いません。

 ただし、これらの要素を加味しても『GS美神』再アニメ化がないとは言い切れないでしょう。『うる星やつら』も諸星あたるがセクハラキャラでしたが、キャストも変更しつつ令和にしっかりと放送されました。

 また近年のリメイクアニメでは、『GS美神』と同じく旧作では原作の途中までしか進行しなかったものの、新作では見事に完結まで描かれた『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』という好例もあります。こういった作品と同じく『GS美神 極楽大作戦!!』も素晴らしい再アニメ化が行われるよう、ファンは引き続きSNSなどで声をあげていきましょう。

※本記事で紹介したアニメ『GS美神』は、東映アニメーションYouTubeチャンネルで配信中です。