「スタバなう」とは何? 今、再び盛り上がっている理由

●公式サイトはどう捉えているのか?



 「スターバックス コーヒー」のX公式アカウントのフォロワーは約900万人いる。SNSを中心としたプロモーションで圧倒的な世界観を構築し、ブランド浸透率とエンゲージメントも高い化け物ブランドである。自分の知る限り、公式アカウントが「スタバなう」に対して抑制するような動きはない。通常はブランドイメージを損なう可能性があるものは排除される傾向があるのだが、スタバは寛容的なように思われる。

 マーケティング的な観点では、自社の商品を購入しているわけではないのにスタバという名前を露出してくれるのはポジティブなものとも捉えられる。明らかにスタバの商品ではないのであれば、誤解を招く可能性も低く、むしろみんなに愛されている証拠ともなる。「スタバなう」とワードを放置することで懐の広さを感じつつも、その裏側にはSNS上の巧みな戦略を感じざるを得ない。

 だが直近、「スタバなう」は新たなフェーズに突入していきている。競合となるカフェチェーンなどでも「スタバなう」が投稿され、本当にスタバなのかどうかを謎解きしたり、やりとりしたりすることが楽しまれているようだ。

 また、「コメダなう」という投稿も増えている。使い方としては「スタバなう」と同様であり、明らかに実際とは異なる店舗・商品で「コメダなう」とコメントするだけである。だが、スタバの商品に対して「コメダなう」と付けたり、逆の場合もあったりするのである意味、複雑化している感もある。

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●両ブランドは愛されている



 スタバとコメダ、両ブランドは多くのファンを抱え、そして愛されているブランドといえる。SNS上でユーザーにいじられるというのは、愛されている証でもある。両社が「スタバなう」「コメダなう」に対してどのようなスタンスを取っていくのか、今後の動きに注目したい。(イデア・レコード・左川裕規)