近年のNBAは、ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ/セルビア)やルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス/スロベニア)、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス/ギリシャ)といった欧州出身選手がリーグの中心を担っており、その占有率は年々増している。
そんななか、元NBA選手でヨーロッパでもプレー経験のあるアール・ボイキンスは、自身の経験も踏まえて欧州出身選手を高く評価している。
1998年のドラフト外でNBA入りしたボイキンスは、NBA史上2番目に低い身長165cm・体重60kgという小柄な体格ながらニュージャージー・ネッツ(現ブルックリン・ネッツ)、クリーブランド・キャバリアーズ、オーランド・マジック、ロサンゼルス・クリッパーズ、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、デンバー・ナゲッツ、ミルウォーキー・バックス、シャーロット・ボブキャッツ(現シャーロット・ホーネッツ)、ワシントン・ウィザーズ、ヒューストン・ロケッツと10チームを渡り歩いて計652試合に出場。ナゲッツとバックスに在籍した2006-07シーズンには自己ベストの平均14.6点をマークした。
2008-09シーズンにイタリアのボローニャでもプレーしたボイキンスは、ラジオ番組『SiriusXM NBA Radio』に出演した際、「ヨーロッパでの時間を楽しんだし、思ってもみなかったバスケットボールの世界に気づかせてくれた」と振り返っている。
「正直、NBA選手の多くはヨーロッパのバスケットボールができないと思う。プレーの仕方やフィジカル面がその理由だ。ヨーロッパやFIBAのバスケットボールをするのは、NBAよりも難しいんだ」
現代のNBAにおいて、ヨーロッパ出身選手はリーグの中心を担う重要な存在で、昨季、ドンチッチは平均33.9点で自身初となる得点王に輝き、過去6年のうち5年はアデトクンボとヨキッチがMVPを独占している。ボイキンスは「NBAはシンプルだ」と指摘する。
「もし優れた1オン1プレーヤーなら、NBAでも成功するだろう。1対1で得点できれば、NBAで成功するはずだ。対照的に、ヨーロッパの選手は間違いなくチームコンセプトをより大事にする。だから、バスケットボールIQは高くなければならない。
NBAでプレーするヨーロッパ出身選手は、オールスターや殿堂入りを果たそうが、ロールプレーヤーに甘んじようが、共通しているのはバスケットボールIQが非常に高いということだ。NBAで失敗することはない。たしかに、スピードや運動能力では苦労するかもしれないが、バスケットボールIQの観点ではNBAの選手よりも優れている」
NBAで活躍する欧州出身選手は、今後も間違いなく増えていくだろう。
構成●ダンクシュート編集部
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