日本人メジャーのパイオニアがにわかに脚光を浴びている。
現地9月16日、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有が地元で行なわれたヒューストン・アストロズ戦に先発登板。ア・リーグ西地区首位を快走する強力打線を相手に6回(79球)を投げ、3安打3奪三振無失点の好投で復帰から2連勝をマーク。今季6勝目は日米通算202勝とし、元ロサンゼルス・ドジャースの野茂英雄氏を抜く歴代単独2位となった。
ダルビッシュが野茂氏の日米通算勝利数を上回ったこの日、別会場でも同氏の偉大な記録が話題となった。
ブッシュ・スタジアムで行なわれたセントルイス・カーディナルス対ピッツバーグ・パイレーツ戦。敵地に乗り込んだパイレーツの先発マウンドは、今季の新人王筆頭候補に挙げられる最速164キロ右腕のポール・スキーンズが上がった。
今年5月にメジャーデビューを果たした怪物右腕は、2イニングすべて三者凡退に抑える完全投球でスタート。3回には160キロに迫る速球と高速シンカー、緩い変化球で三者連続三振という圧巻のピッチングを披露した。6回には22年にMVPを受賞した強打者ポール・ゴールドシュミットを空振りに斬って取り、今シーズン通算158個目の三振を記録。MLB公式サイトによると、1901年以降で21試合目での158奪三振は歴代5位のスピード記録で、トップは野茂の188個(1995年)だと報告した。
スキーンズは4回に適時打で1点を失ったが、6回まで4安打1四球7奪三振をマークする力投だったが、打線の援護なく3敗目(10勝)を喫した。
惜しくも敗戦投手となったが、怪物新人はまたも記録を打ち立てた。マニアックなMLBデータを連日提供するサラ・ラングス記者によると、デビューから20試合を終えた時点でスキーンズの防御率は2.10。これは、73~74年のスティーブ・ロジャース(1.80)、95年の野茂(2.08)に次ぐ3位だったが、この試合で防御率を2.07とし、野茂を上回り史上2位に浮上した。
1995年に代名詞である「トルネード投法」で米球界を席巻し、いまや当たり前のように毎年多くの日本人選手がメジャーの舞台で活躍する昨今、野茂氏の功績が再びクローズアップされた。
構成●THE DIGEST編集部
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