F1シンガポールGP後にRBがダニエル・リカルドからリアム・ローソンにドライバーを交代するのではないかという噂が流れている。リカルドはシンガポールGPが自身最後のF1レースとなる可能性を否定しながらも、それを完全に否定するにはあまりにも長くF1で走り続けてきたと語った。
レッドブルとRBの経営陣は今週末のシンガポールGP後に2025年のドライバーラインアップを決定する予定だ。レッドブル陣営のリザーブドライバーを務めてきたローソンが、角田裕毅のチームメイトとしてRBのレースドライバーに昇格することがほぼ確実視されている。
その上でチームは、来季の開幕を待たずにすぐにドライバー交代を行なうというシナリオも浮上しているのだ。
リカルドは今季、一部良い成績を収めたレースもあった一方で、角田と比べて速さ、安定感に欠けており、現在35歳という年齢を踏まえても彼の獲得に意欲的なチームはないのが現状。今週末のシンガポールGPがF1ラストレースになる可能性もあるのだ。
リカルドは、RBが次戦アメリカGPに合わせてドライバーを交代させる動きがあるかは知らないと語ったが、完全に否定するわけでもなかった。
自身の将来について渦巻く憶測について、彼は「僕がまず期待しているのは来年のことだ。だから今、ここにいるんだ」と語った。
「もちろん、あまり詳しいことは言えないけれど、契約に関しては、そうだね。決断がくだされる時期に入っている。基本的には2025年に残れるかどうかだ」
「それから残りのシーズンについての話や憶測があることは知っている。しかし、そのこと(シンガポールGP後の交代)については、今のところ僕にはわからない」
「僕が期待しているのは来年の決断だ。でも、このスポーツでは明らかにクレイジーなことが起こっている。だから、ここに立って自信満々でいるつもりもない。そうなると信じているけど、さてどうかな」
ローソンは2025年にF1シートを手に入れられなければ、契約を解除しフリーエージェントになれる条項を契約に盛り込んでいると見られており、シンガポールGP後の決断はそうした要素を踏まえて行なわれる。
シンガポールが最後のレースとなることを意味するような契約条項はないかと直接尋ねられたリカルドは、次のように答えた。
「それはないと思う。でも、ここに立って弁護士になりたいわけでもない」
「僕はノーと言いたい。でも、僕たちはこのスポーツの仕組みを知っている。ある意味、目新しいことではないんだ」
「だから『ああ、100%全財産を賭ける』みたいなことはしたくない。僕はもうF1で長いからね」
リカルドがF1を離れることになれば、他のカテゴリーに参戦するチャンスが広がる可能性はあるものの、彼は他のレースへの転向が必ずしも望ましい選択肢ではないことを明らかにしている。
他のシリーズへの参戦について尋ねられたリカルドは、次のように答えた。
「インディカーはまだ怖い! 2023年シーズンを走れないとわかっていた数年前にも考えたことがあるんだ」
「でも僕はまだ競争者なんだ。まだ自分の中にたくさんの炎が燃えている。もしかしたら、それを他のことで満たす必要があるのかもしれない。僕にはわからない」
「いずれわかるよ。このスポーツをやっていて、たまに10位を争うようなことについて、話すのは難しい。他のシリーズをやっても同じかもしれない」
「他のシリーズをリスペクトしていないわけではない。NASCARや他の多くのモータースポーツのファンだしね。でも僕はF1で高みを経験したのだから、他のことをして本当の充足感を得られるだろうか? その保証はあるのか?」
「かゆいところに手が届くのか、欲しいものが手に入るのだろうか? 分からない。おそらくイエスというよりノーと言う方が多いかもしれないが、もし自分がこのポジションにいなかったら、それについて考えてみるよ」