2024年9月20日から10月20日まで、東京国立博物館 表慶館にて開催中のJRA70周年特別展示「世界一までの蹄跡」。
19日にJRA理事長を務める吉田正義氏、乃木坂46より池田瑛紗氏、東京国立博物館より藤原誠館長、そして公益財団法人馬事文化財団理事長の高橋敦樹氏が出席するテープカットセレモニーと、関係者・メディア向け内覧会が行われた。
本展示では、JRAの主催で東京国立博物館の協力のもと、競馬に関する絵画や貴重品などを多数見ることができる。一足先に内覧させて頂いたのだが、これは新旧全ての競馬ファンにお勧めの、凄い展示ですよ!
・70年の歴史
本展示は、JRA主催で歴代の名馬に関するトロフィー、蹄鉄などの貴重な品や、芸術家たちによる「馬」を題材とした美術作品などを通じて競馬の歴史に触れ、広い範囲での馬事文化を垣間見ることができる。
東京国立博物館(以下、東博)への当日券だけで入場できるが、その内容は、とても無料と思えぬほどの充実ぶりだ。一部を除き、館内の多くの展示は撮影可能となっている。
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・5つのエリア
会場は、それ自体が重要文化財である表慶館。1909年に開館した、日本ではじめての本格的な美術館とされる。
JRAの博物館と言えば、東京競馬場内にJRA競馬博物館がある。今回展示されるものの多くもJRA競馬博物館収蔵の品だが、「世界一までの蹄跡」展は普段とは違う場にて、異なる視点での楽しみを提供してくれる。
展示はエントランスの他に、5つのエリアで構成される。
入ってすぐのエントランスでは、東京藝術大学の学生による、いくつかの名レースを描いた絵画が7点展示されている。その先の奥のエリアには著名な芸術家たちによる「馬」を題材にした絵画や彫刻が展示されており、そちらは撮影禁止だ。
絵画の展示されているホールから左手は、主に国内の競馬史にフォーカスした展示が行われている。
ここではサラブレッドの3大始祖の絵画やダービーの創設についての解説など、全ての始まりから振り返ることで、競馬史に対する理解を深めることができる。
そしてシンザンの三冠達成記念トロフィーといった古い品々から、第78回日本ダービーにてオルフェーヴルに騎乗時の池添謙一騎手使用の鞭とオルフェーヴルの蹄鉄まで、歴史に名を刻んだ名馬に関する数々の品を見ることが可能だ。
その奥の部屋では、幕末からJRA設立までの日本における競馬の歴史がテーマ。上野不忍池競馬場のパネルや、1944年まで行われていた帝室御賞典で下賜されていた花盛器や洋杯が展示されている。
そして1940年秋季から1943年秋季までの五大クラシック競走の優勝馬主商品として贈られていた日本刀など、とても貴重な歴史的品も見ることができる。茎(なかご)に入れられた銘が興味深いので、ぜひ生でご覧ください。