F1第18戦のシンガポール・グランプリが開幕し、現地9月20日には2度のフリー走行(FP1、FP2)が実施された。
前の2レースを連続してリタイアで終えており、この東南アジアで実施されるナイトレースの週末で巻き返しを図りたいビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は、FP1で26周回を重ねて全体5番手となる1分32秒263のベストタイムを計測すると、続くFP2(28周回)でも1分31秒468で4番手につけるなど、1日を通して好パフォーマンスを発揮している。
【画像】世界を舞台に活躍する日本人F1ドライバー、角田裕毅のオフの表情を大特集! 自身のSNSに「力強い週末のスタート」と投稿した角田は、チームの公式サイトなどから発表されたプレスリリースでも、「今日は全体的にポジティブな1日となり、気分が良いです。もちろん、これはフリー走行に過ぎず、明日からライバルたちもペースを上げてくるのは間違いありませんが、我々にもいくつか改善できる点があり、もっと良くなる余地があるので、気を抜かずにいなければなりません。最高の結果を出せるチャンスもあり、これまで以上に予選が楽しみです」とのコメントを残しており、大きな満足感が窺える。
チームメイトのダニエル・リカルドもFP1で7番手、FP2で6番手と好結果を残したことで、RBはSNSで「カッコいい」と両ドライバーに賛辞を贈り、レーシングディレクターのアラン・パーメインは「順調な金曜日となった。両ドライバーは最初のセッションから車に概ね満足しており、FP2の前にバランスを微調整するための小さな変更をいくつか加えても、彼らの感想は同様だった。ラップのペースは、まだやるべきことがあるのを示しているが、進むべき方向は分かっており、予選に向けてベストな状態に仕上げていく」と語った。 初日の結果とはいえ、このRBの躍進には各国メディアもポジティブな反応を示している。フランスの通信社『AFP』は「大幅に改良されたRBの『VCARB01』を駆る角田は、先週末のアゼルバイジャンGPで優勝したばかりのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を抑え、FP2では4番手となった」と上位勢を引き合いに出して、その好調ぶりを強調している(ピアストリはFP1で6番手、FP2で5番手)。 ブラジルのF1専門サイト『GRANDE PREMIO』は、「金曜日(20日)の結果は、角田とチーム全体にとって有望なものだった。彼は、チームとしての進化を約束した。FP2でのベストラップタイムは、トップのランド・ノリス(マクラーレン)より0.741秒遅かったものの、3番手のカルロス・サインツ(フェラーリ)とはわずか0.1秒ほどの差しかなかった」とこちらも上位勢と比較し、『F1 MANIA』は「RBが初日で示したペースは非常に良く、驚くべきものでさえあった」と伝えた。
続いて、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』が「RBはシンガポールGP初日の大きなサプライズのひとつだった。角田は2つのセッションをトップ5で終え、今後に向けても楽観的だ」と報じた。次にイタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は「もし金曜日に『サプライズ賞』があったとすれば、それは間違いなく角田とRBに与えられるだろう。特別なカラーで登場したRBは驚きをもたらし、ライバルを圧倒した」と綴って、以下のように続けている。
「日本人ドライバーの角田は、ピアストリ、そしてレッドブル勢の前に立った。RBの好パフォーマンスが土曜日以降も続くかどうかは定かではないが、確かなことは角田には大量のポイントを獲得し、自身の実力をチーム上層部に示す大きなチャンスがあるということである」
また、スペインのF1専門サイト『F1i.com』は「角田とリカルドは金曜日、意外にもフロントランナーたちと競り合ってみせた」と驚きのリアクションを示した。同じく、英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』は「ここ数レースで、中団争いはウィリアムズ、ハース、アストンマーティンが交互にリードしてきたが、今週末はRBが大きなサプライズを起こすことが予想される。金曜日、RBはライバルに対して余裕を持っており、3番目に良いチームだった」と好評価のレポートだった。
構成●THE DIGEST編集部
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