もはやアンストッパブルな猛ラッシュだ。
現地9月20日、ロサンゼルス・ドジャースは本拠地でコロラド・ロッキーズと対戦し、6対4の快勝を収めた。前日敵地のマイアミで6安打3本塁打10打点2盗塁という大暴れを演じて「51-51」に到達した大谷翔平は、この日も1番・DHで先発出場。3安打1本塁打2打点1盗塁をマークして地元観衆を熱狂の渦に巻き、自身の記録を「52-52」に伸ばしてみせた。
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打席に立つたびにスタンドからは「MVPコール」が鳴り響いた。過去ア・リーグで2度受賞している大谷は、移籍してきたナ・リーグでもいきなりMVPを獲ってしまうのか。過去にMLBで打者専任のDHが受賞した例はなく、やはり守備面での貢献度のなさが指摘されてきた。
ひとつのデータとして参考にされているのが、走攻守を総合的に算出して勝利への貢献度を示すWARというスタッツだ。大谷とMVPを争う候補筆頭はニューヨーク・メッツで名ショートとして鳴らすフランシスコ・リンドーア。怪我で離脱中である彼のWARは「7.4」で大谷より数値が上だ、MVP候補にふさわしいというのが論拠となってきた。
今回、2夜で9安打4本塁打12打点3盗塁を叩き出した大谷。データ専門メディアの『FanGraphs』と『Baseball Reference』はともにWARの最新値を更新し、驚きの数値が弾き出されたのだ。前者は「7.9」で後者にいたっては「8.0」に達し、どちらもナ・リーグのダントツトップに躍り出たのである(リンドーアの数値はそれぞれ「7.4」と「6.6」)。
米ネットワーク『ESPN』でドジャース番のブレイク・ハリス記者はXを更新し、大谷のWARがついにリンドーアを突き放したことを紹介。「まあなんにせよ、もう黙らせたね」と綴り、大谷が規格外のハイパフォーマンスでMVP選出への懐疑的な声を一掃したとみている。
もちろんMVPは記者投票で決まるため、WARは単なる指標のひとつにすぎない。それでも超人気チームへの電撃移籍、史上最高額での契約、フィールド内外でのフィーバー、数多の記録更新、そして50-50達成など、大谷は今季のMLBに特大の話題を提供しつづけてきた。それに加えてスタッツでもライバルを圧倒。残すは8試合、初の「DH・MVP」誕生はほぼ確定したと言えるのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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