F1第18戦のシンガポール・グランプリは現地9月21日に予選が行なわれ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は5戦ぶりにQ3進出を果たし、8番グリッドを手にした。
初日の2セッションでトップ5入りを果たすなど好パフォーマンスを発揮した角田は、午前のフリー走行3回目で16周を走って1分31秒114(全体11番手)を計測し、迎えた予選ではQ1を1分30秒716と10番手のタイムで余裕をもってクリアした。すると、Q2も1分30秒289で9番手につけ、第13戦ハンガリーGP以来の最終ラウンドに進出。ここでも、1分30秒354でフェラーリ勢の前に出る会心のレースを見せた。
直近の2戦で連続リタイアを喫し、アゼルバイジャンGP後には「良いグリッドを得ることが重要」と言及していた角田にとっては、満足できる予選結果となり、チームの公式サイトなどを通して「しばらくQ3に進出できずにいましたが、今日はついにやりました! この瞬間を待っていたので、チームに感謝したいし、本当に素晴らしい仕事でした」と喜びのコメントを語り、以下のように続けている。
「ドライバーとしては完璧な予選を目ざしていますが、残念ながら最後のアタックは少し乱れてしまいました。時間的にギリギリで、急いで走る必要があったので、最後のプッシュラップに少し影響してしまいました。少しフラストレーションを感じましたが、ここ数レースのパフォーマンスを考えると、これは大きな成果です」
「明日(22日)のレースは簡単なものにはなりませんが、前のハースを追いかける一方で、後ろから速いクルマも来るので気を付ける必要があります。可能な限り頑張って、ポイントを狙っていきます」 RBはSNSで「ユウキの力強いドライビング」と日本人ドライバーに賛辞を贈った。また、マシンパフォーマンス担当の責任者であるギョーム・ドゥゾトゥーも「Q3に戻ってきた!」と喜び、「予選でのチーム全体のパフォーマンスは強力で、この種のコースにおける我々のクルマの競争力を確認することができた。ユウキは堅実なラップタイムを重ねてQ2、Q3に進出し、8番手のポジションを獲得した。これは明日のレースに向けての良いスタートポジションだ」と振り返っている。
各国メディアの報道では、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』が「RBにとっては7月のハンガリーGP以来となるQ3進出で、角田は8番手という結果に喜びを隠さなかった。決勝では6番グリッドのニコ・ヒュルケンベルク(ハース)をレースでの主なターゲットに定めている」と伝えた。
ポーランドのF1専門サイト『dziel pasje』は、「ダニエル・リカルド(16番手)や角田も、昨日の段階では問題なくトップ10に入っていたが、予選でQ3進出を果たしたのは日本人ドライバーだけだった」と、RBの2人のドライバーが大きく明暗を分けたことに注目している。そして、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、以下のように角田の予選を振り返り、決勝を興味深く注視している。
「角田はハンガリーGP以来、初めてQ3に進出して8番グリッドを獲得した。日本人ドライバーは金曜日に好調を維持し、常にトップ5に入り、この勢いを予選でも活かして、トップ10入りを果たした。最後のアタックでいくつかミスはあったものの、彼は結果に満足している。しかし、本当に喜べるのはレースでポイント圏内でフィニッシュした時である」
7月のハンガリーGPでは9位に入り、今季7度目の入賞を果たした角田。実力をアピールするためにも、今レースの決勝は日本人ドライバーの真価が問われるかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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