現地9月22日、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平は本拠地でのコロラド・ロッキーズ戦に1番・指名打者でスタメン出場し、9回の第5打席で2試合ぶりとなる53号ソロホームランを放った。起死回生の一発で追い付いたドジャースは、続くムーキー・ベッツが19号ソロを左翼席に運び、6対5で劇的なサヨナラ勝ち。地区優勝マジックを4に減らした。
土壇場でかっ飛ばした一発がチームを救った。1点ビハインドの9回、先頭で打席に立った大谷はセス・ハルボーセンが投じた低めのスプリットを振り抜くと、一直線に右中間スタンドへ運んだ。試合を振り出しに戻す一振りにドジャー・スタジアムは大熱狂。大谷も興奮を隠せず吠えて、ダイヤモンドを一周した。
だが、ボルテージが最高潮に上がるのはこのあとだった。偉才が放ったホームランの余韻がまだ残るなか、続くベッツが2ストライクからの高め160キロ強のシンカーを捉え、19号ソロをレフトスタンドに運び、激闘に終止符。ドラマティックな展開でドジャースが劇的勝利を飾った。
逆転劇を呼び込んだ大谷の豪快弾には敵将も脱帽している。ロッキーズのバド・ブラック監督は試合後の会見で「オオタニはスーパースターだ」と、これ以上ない称賛の言葉を送る。「オオタニは偉大な選手だ。彼は50本以上のホームランを打っている。それが彼の仕事だし、ドジャースの仕事だろう?」と語り、あとアウト3つで勝利を掴みかけながら大谷のソロ弾をきっかけにゲームをひっくり返された自軍を嘆いた。
一方のデーブ・ロバーツ監督は「ショウヘイは、ショウヘイらしいプレーを続けてくれている。いま、彼を人間とは思えない。ショウヘイのように、これほどまでゾーンに入っているプレーヤーを私は本当に見たことがない」と、凄まじいパフォーマンスに舌を巻いた。
同点ホームランを放ち、ベンチに戻ってきた時にはいつも以上に感情を露わにしていた。「彼は勝ちたい。そこを渇望し続けている」と言うと、「盗塁のスタート、ヒットを打つこと。3割を超えたいとも思っているのだろう。これほどまで集中できるとは、想像するのは難しい」と、賛辞を惜しまなかった。
MLB公式のドジャース番記者であるフアン・トリビオ氏は「日曜のホームランはドジャースのユニホームを着た彼にとって、最もインパクトのあるものだった。オオタニはスーパースターであり、彼は3度目のMVP獲得に向かっている」と激賞する。
続けて、「ロッキーズとのシリーズで勝ち越しを収めたことは、ドジャースにとって大きな第一歩だった。いま、彼らはその勢いをレギュラーシーズン最大のシリーズ戦に持ち込もうとしている。ドジャースがサンディエゴ・パドレスとの3連戦に勝てば、12シーズンで11度目のナ・リーグ西地区優勝が決まる。大一番に勝てなければ、すべては最終週末にかかっている」と、現地24日から始まるパドレスとの天王山に向け、チームの雰囲気はより高まったと言及した。
レギュラーシーズンも残り6試合。ロサンジェルス・エンジェルス時代には味わえなかったヒリヒリする10月に向け、大谷は躍動を続ける。
構成●THE DIGEST編集部
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