「自分自身の問題」12位に終わった角田裕毅、スタート失敗で8番グリッドを活かせず悔しさ吐露「大事なポジションを失った」【F1・シンガポールGP】

 F1第18戦のシンガポール・グランプリは9月22日に決勝が行なわれ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)は周回遅れの12位に終わり、期待された5戦ぶりの入賞はならなかった。
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 初日でトップ5、予選では第13戦ハンガリーGP以来のQ3進出で8番手の好位置につけた角田だったが、スタートに失敗してオープニングラップで3つ順位を落とすと、追い抜きが難しいコースでのレースは困難なものとなった。第2スティントのペースは悪くなかったものの、失ったポジションを取り戻すことはできず、チームにポイントをもたらすという最大の目標は果たせずに終わっている。

 連続リタイアに終わった過去2戦の鬱憤を晴らすようなレースが期待されるも、今回も失意の結果に終わり、角田はチームの公式サイトなどを通して「スタートには、とてもフラストレーションを感じました。残念ながら、数台の車に抜かれてしまい、大事なポジションを失ってしまいました」とコメントを残し、さらに以下のように振り返った。
 「最初のスティントはできる限り長く走り続け、33周目までミディアムタイヤで頑張りました。セーフティカーが出るのを待っていましたが、クリーンなレースだったため、それは起こりませんでした。その後、より新しいタイヤに交換し、ここではソフトタイヤを装着しました。このスティントはかなり良く、ミディアムタイヤで走った時よりも良い感触でしたが、今日はスタートの悪さが主な問題であり、そのせいでポイントを獲得することができませんでした」

 レース後のメディア対応では、「スタートについては、とても悔しいです。これがすべてを台無しにしました。車ではなく、自分自身の問題であり、何かが上手くいきませんでした。今後はもっと上手くやる必要があるのは明らかです」と反省の弁を述べている(フランスのモータースポーツ専門サイト『Auto Hebdo』より)。
  RBのマシンパフォーマンス担当の責任者であるギョーム・ドゥゾトゥーは、「8番手からのスタートということで、ユウキにはポイント圏内により近い順位でのフィニッシュを期待していたが、スタートで少し遅れてしまい、1周目の終わりには11位に落ち、これが大きな痛手となった。我々は攻撃的な戦略を取り、ミディアムタイヤで長く走ったが、前の車に付いていくためのペースが少し足りなかった」と、スタートの失敗を悔やんだ。

 またチーム代表のローラン・メキーズも、「残念ながらユウキはスタート直後に3つ順位を落としてしまい、それ以降は追い抜くのが非常に難しい展開になった。接戦のなかでは、スタートの出来がポイント獲得の有無を左右することになる」と指摘したが、「ソフトタイヤで非常に力強いスティントを見せた」とポジティブな点も挙げ、また週末を通しても「予選で力強いパフォーマンスを発揮してQ3進出を果たしたのは、非常に励みになる結果だった」と称賛している。
  前出の『Auto Hebdo』は、「日本人ドライバーは数ポイントを獲得して帰国することを目標にしていたが、残念ながら状況はすぐに悪化。スタート時の反応が悪く、トップ10圏外に落ちた。この小さなミスが彼に大きな影響を与えてしまった」と伝えたが、「少なくとも、今後は数週間で取り組むべき課題が明確になり、次回以降では同じミスを繰り返さないようにできるだろう」とも綴った。

 一方、ポーランドのF1専門サイト『dziel pasje』は「ダニエル・リカルドにとって、今レースがキャリア最後のものとなる可能性が高く、彼はファステストラップを記録し、『ドライバー・オブ・ザ・デイ』にも選出されたが、レースでは再び角田がより速さを見せ、結果でも勝った」と、去就が注目されるチームメイトを引き合いに出した記述となっている。

構成●THE DIGEST編集部

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