燃え尽き症候群を防ぐために


燃え尽き症候群を防ぐために個人や会社でできること / Credit: canva

燃え尽き症候群の初期サインでリスクに気づくことができれば、気づかないうちに重症化させることなく予防と回復に努めることができるでしょう。

燃え尽き症候群は気づかないうちに重症化してしまうことがあり、そうなるともう一人の力で解決することは困難になります。

その場合は、心療内科などを利用して治療に努める他ありません。

「最近頑張りすぎている」と感じたら、思い切って休暇をとってリフレッシュしたり、信頼できる同僚や上司、家族や友人に相談することが助けになります。

とにかく自分ひとりで悩みや責任を抱えすぎないようにすることが大切です。

また燃え尽き症候群は、本人の問題よりも熱意のある人を会社側がほったらかしにしてしまっているところに問題が潜んでいる場合も多いでしょう。そのため会社側が働き手の燃え尽き症候群を防ぐために、職場の環境を改善することも重要です。

例えば、メンター制度です。

これは直属の上司とは別に、年齢や社歴の近い先輩社員が後輩や新入社員と定期的に面談をして、不安や悩みを聞き、精神的なサポートをするというもの。

年の離れた上司には言いづらい悩みも打ち明けやすいと考えられます。

それから表彰制度です。

どんなに仕事熱心な人でも、何のゴールや報酬もなく、同じ仕事を淡々と続けるのは難しいことです。

そこである程度の成果を達成するごとに、何らかの報酬や表彰の機会を与えることで、働き手のモチベーションを高いまま維持するとともに、自己肯定感や生産性の向上も期待できます。

特に燃え尽き症候群になりやすい職業では、こうした制度を取り入れると優秀な人材を失わなくて済むようになるかもしれません。

参考文献

Burnout syndromes
https://www.medparkhospital.com/en-US/lifestyles/burnout-syndrome

Burnout: identifying people at risk
https://norwegianscitechnews.com/2024/02/burnout-identifying-people-at-risk/

The 4 signs you may suffer from burnout. Feeling drained? Take this online test
https://www.zmescience.com/science/news-science/signs-of-burnout-online-test/

元論文

The psychometric properties of the Burnout Assessment Tool in Norway: A thorough investigation into construct-relevant multidimensionality
https://doi.org/10.1111/sjop.12996

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。
他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。
趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。