プロ野球ヤクルトスワローズが高津臣吾監督の続投を発表した。今季が2年契約の最終年だったが、1年契約を延長。高津監督は球団を通じ「チームを再建するのは簡単なことではありませんが、身を削る思いで努力します」とコメントしている。
高津監督は20年から監督を務めているが、ヤクルトの監督で長期政権は異例のこと。5年以上の監督となると若松勉氏(1999年~2005年)で、それ以上では9年間采配(1990年~98年)をふるった故・野村克也氏しかいない。しかも高津監督は21年に日本一、22年リーグ連覇を達成しているわけだが、23年は5位に沈み、今季も最下位の可能性を残している。
「そんな中、この段階での球団からの続投要請は他球団からみても異例のこと。ヤクルトの場合は次期監督候補で挙がる名前も多く、中でも池山隆寛・二軍監督や、OBでは宮本慎也氏が有力視されていました。また今季限りで引退を決めた青木宣親もいますからね」(夕刊紙記者)
2年連続の成績不振の原因は、攻守ともにボロボロであること。そのため「フロントからはゼロからやり直すためには宮本氏がいいという声も聞こえてきた」(前出・記者)というのだが…。
「宮本新監督が誕生するようなことがあれば、母校・PL学園伝統の猛練習が軸になる。しかも宮本氏はとにかく“教え魔”で、二度のコーチ時代(2009~13年=選手兼任、18~19年=ヘッドコーチ)には、あまりに厳しい指導ばかりで主力選手とも何度も衝突している。ヤクルトの監督人事は最終的には親会社の衣笠剛オーナー代行の“鶴の一声”で決まりますが、そもそも巨人や阪神のように優勝を義務付けられたチームではないですから、監督選考も“情実人事”になるのが伝統。そこでひとまず、チーム内がギクシャクしない高津監督で続投となったのでしょう」(ベテランのヤクルト担当記者)
次は1年での契約となった高津監督の後継者作りのため、どんなコーチ人事になるのか注目だ。
(小田龍司)