6年ぶりにクライマックスシリーズ(CS)進出が決まった日本ハムのフロント陣には“大仕事”が待っている。新庄剛志監督へ続投要請をすることは決まったが、それをいつ、どこで行うかだ。
本人は9月26日の楽天戦の試合後、来季以降について聞かれると「まだ、さっぱりビジョンが浮かんでこない」などと煙に巻いているが、実は続投のカギを握っている人物がいる。
「吉村浩チーム統括本部長です。スポーツ紙記者のキャリアからパ・リーグ事務局に勤務、MLBデトロイト・タイガース、阪神タイガースとわたり、05年に日本ハムがゼネラルマネージャー(GM)補佐として引き抜いた。プロ野球選手としてのキャリアはないにもかかわらず、多くの有力OBが絶大な信頼をおく人物です」(日本ハム担当記者)
日本ハムではダルビッシュ有、大谷翔平らの獲得など、チーム強化の中枢にあるのが「ベースボール・オペレーション・システム(BOS)」で、選手、ドラフト候補、他球団選手などありとあらゆる情報をインプットしているソフトなのだが、これを中心となって作り上げたのも吉村氏だ。
「ちなみに阪神時代にも取り入れたのですが、これを当時の球団フロントは“そんなもん出来まへん”を拒絶して活かされることがなかった。日本ハムでは今もアップグレードに数千万の費用をかけていると言われます」(夕刊紙記者)
今季の日本ハムの好成績は、新庄監督の人身掌握術と、このBOSを本格的に取り入れた結果という。
「22年、新庄監督の誕生時には驚いた球団関係者も多かったのですが、そんな中、吉村さんがシーズンに入る前のスタッフミーティングで『新庄監督の言うことは絶対です』と言い切った。新庄監督もこの言葉が刺さったと言っていましたね」(同)
フロント陣がどう口説き落とすのか見ものだ。
(小田龍司)