ゴムバンドのテンションを感じながらクラブを持つ
引っぱるというよりゴムの長さを保つテンション。クラブを持ってもこの感覚を残しておきたい
ゴムバンドを背中に通して体にかけ、両端を持ってアドレスする。クラブを持っても、このときと同じような背中の張りや腕の力感、テンションを感じられていれば、リキまずにクラブを持てる。
(広告の後にも続きます)
肩甲骨の間を開いて適正なテンションを保つ
――こうやって下からクラブを支えられれば、リキまずに構えられるんでしょうか?
山縣:大事なのは、クラブの重さを正しく感じること。リキむっていうのは、出力のエラーなんです。たとえばベンチプレスで40キロのバーベルを持ち上げるのに、置かれているバーベルを80キロだと思ってパワーを出しているようなもの。最初から40キロという重さを正しくイメージできていれば余分な力を出さずにジワッとバーベルを押し上げられますが、80キロだと思っていたらガン! と一気に行ってしまってコントロールできませんよね。
安岡:アマチュアは、クラブの重さに見合わない力でクラブを持っているからリキむ。クラブの重さに見合った力感で、この拮抗しているテンションをつねに感じていることが大事なんです。
――なるほど。
山縣:このとき、肩甲骨のポジションもとても大事です。左右の肩甲骨が寄って肩がうしろに引かれた状態では、このテンションは感じられません。肩甲骨の間が開いて腕にも一定のテンションがかかった状態でクラブを持ちたいですね。
――「前へならえ」のように腕を前に突き出す感じですか?
山縣:形は似ていますが、「前へならえ」のようにピンと強く突き出すと、やはりリキみになってしまいます。ゴムバンドを背中に回して両端を手で持ち、軽く引っぱるようなテンションをかける感じが近いと思います。
安岡:このゴムバンドの張力を「クラブの重さ」だと思ってください。腕を突っぱるわけでもなく、引きつけるわけでもないちょうどいいテンション。まさに「拮抗」です。
柳橋:スイング中も、このテンションが変わらずキープできれば、アークが安定していい軌道で振れるんです。プロが「腕の長さが変わらない」などと表現するのはこの感覚なんです。
――この感覚がわかれば、ヒジがひけたりするのも防げますね。
山縣:デスクワークなどで背中が硬くなっていると、肩甲骨の間が開きにくくなってリキみの原因になります。肩甲骨のストレッチもお教えするので、仕事の合間やゴルフのスタート前などにやってみてください。
ゴムバンドに引っぱられる張力と、それを維持する腕のテンションが拮抗しているのが理想的な力感。ゴムのテンションをクラブの重さに置き換え、過不足なくバランスがとれていることが大事。
スイング中も背中のテンションをキープする
ゴムバンドを持っているようなイメージで背中の適度な張りと腕のテンションをキープしたままスイングできれば、ヒジが引けたり腕が縮こまることなく、大きくキレイなアークでスイングできる。