4年ぶり39回目の優勝を果たし、就任1年目にしてしっかりと結果を残した巨人・阿部慎之助監督。優勝を決めた9月28日の広島戦試合後のインタビューでは「この場をお借りしてね、あの原(辰徳)さんが指導者に導いいていただいて…感謝してます」と涙ぐむ場面もあった。
創立90周年の巨人では、就任1年目の優勝監督は今回の阿部監督を含めて4人しかいない。川上哲治氏(1961年)、藤田元司氏(1981年)、原辰徳氏(2002年)と錚々たる名前が並ぶ。それだけに山口寿一オーナーも「来年は当然(監督を)やってもらわないと困ると思っています」と早々に阿部監督の続投を明言している。
「山口オーナーにしてみれば、今季まで契約が残り本人もやる気だった原さんを切ってまでして阿部監督に決めた。失敗すれば責任を追及される立場でしたから、ひとまずホッとしたことでしょう」(夕刊紙記者)
これで阿部巨人が“長期政権”となる可能性も出てきた。
「今季、万が一阿部監督で惨敗に終わった場合は、高橋由伸氏の“再登板”計画もあったんです。これは岡本和真のメジャー入りを1年でも遅らせたいという意向から。岡本を不動の4番にしたのは、他ならぬ高橋由伸監督でしたからね」(巨人担当記者)
そのため優勝はしたものの、今後はその岡本のメジャー移籍が大きな問題となってくる。
「さらに今季は獅子奮迅の活躍を見せた34歳の菅野智之があげた15勝を、誰がカバーしていくのか、体力的な衰えが顕著になってきた坂本勇人の後釜探しも不可欠になってくる。確かに長期政権になる可能性は十分ありますが、現状でも毎年優勝争いできるような戦力とはいえませんからね」(前出・夕刊紙記者)
クライマックスシリーズ(CS)でまさかの敗退ともなれば、一気にそれらの不安が噴出することになるだろう。
(小田龍司)