テニスの四大大会で優勝39回(女子単・複・混合複を合わせて)を誇るレジェンド、ビリー・ジーン・キング氏が、このほど「議会名誉黄金勲章」を受賞した。これはアメリカ議会が内外の文民に対して授与する最高位の賞で、女性アスリートとして初めての受賞。コート内外で数々の障壁を打ち壊してきたキング氏が、また1つ壁を破った。
現在80歳のキング氏は、1972年にキャリア・グランドスラムを達成するなど活躍した現役時代も、そして1983年に引退した後も、スポーツと社会における女性の権利を守るべく献身してきた。テニス界では賞金の男女平等を強く訴え、1973年の全米オープンで四大大会初の男女同額賞金が実現するきっかけとなった。
女子テニス協会(WTA)を共同創設したのもこの年で、主導した彼女はまだ29歳の現役トッププレーヤーだった。当時のキングの奮闘ぶりは、日本で2018年に公開された映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』でも描かれている。
今回、議案を提出した共和党のブライアン・フィッツパトリック下院議員と、可決に向けた取り組みをリードした民主党のミッキー・シェリル下院議員は、こう述べている。
「スポーツと社会において全ての人の平等な権利を擁護することに捧げた素晴らしい人生を称え、アメリカの象徴であるビリー・ジーン・キングに議会名誉黄金勲章を授与する」
「(キング氏は)障壁を打ち破り、未知の道を切り開き、数え切れないほどの人々に勇気と信念を持って正義のために戦うよう鼓舞しました」(フィッツパトリック議員)
「ビリー・ジーン・キングの生涯にわたる擁護活動と努力は、コート、教室、職場における女性と少女たちの状況を変えました」(シェリル議員)
ちなみに、キング氏は2009年にバラク・オバマ大統領から「大統領自由勲章」を授与されている。こちらもアメリカで最高格式とされる賞で、黄金勲章がアメリカ議会の上下両院の決議を以て授与されるのに対し、自由勲章はアメリカ大統領が個人として授与するものだ。
構成●スマッシュ編集部
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