現地時間9月30日(日本時間10月1日、日付は以下同)、ゴールデンステイト・ウォリアーズがメディアデーに臨んだ。
昨季サクラメント・キングスとのプレーイン・ゲームに敗れてプレーオフ出場を逃したチームは、オフにクレイ・トンプソンがサイン&トレードでダラス・マーベリックス、クリス・ポールがサンアントニオ・スパーズ、ダリオ・シャリッチがデンバー・ナゲッツへ移籍した。
ステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーンとのビッグ3体制で2015年以降に4度の優勝を飾ったウォリアーズだが、カリーと双璧をなす偉大なシューターが退団したことで、ひとつの時代が終焉を迎えた。
ただ、チームはトンプソンが絡んだ6チーム間の大型トレードでバディ・ヒールドとカイル・アンダーソン、FA(フリーエージェント)戦線でディアンソニー・メルトンを補強。
今季で在籍16年目を迎えるカリーは「僕らが獲得した3人はプレーの仕方を熟知した、リーグで立場を確立しているベテランであり、チャンピオンシップを目指すチームに必要なピースだ」とコメント。
さらに「僕らは早い段階で(プレーオフや覇権争いに)関わりのあるチームになれる位置にいると思うよ」と自信を覗かせていた。
トンプソンやポールを失った影響で、開幕前のウォリアーズの評価は決して高くない。というのも、ウエストには強豪、しかもタイトル争いに参戦できる豪華戦力を有するチームが多く、昨季以上に熾烈なレースが展開されることが予想されているからだ。
チームは1日にハワイにあるブリガムヤング大でトレーニングキャンプをスタート。スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)はポイントガード(1番)のカリーこそ確定も、残り4ポジションについてはスターターも固まっていない状態だと話していた。
「全体的な競争になっている。これはシンプルなものではない。『誰が2番(シューティングガード/SG)に入るのか?』、『誰が5番(センター/C)を務めるのか? 誰が4番(パワーフォワード/PF)なんだ?』となっている」
PFの先発はグリーンが濃厚だが、SGはブランディン・ポジェムスキーとヒールド、メルトンが争い、SFはアンドリュー・ウィギンズとジョナサン・クミンガ、Cはケボン・ルーニーとトレイス・ジャクソン・デイビスが競い合っている状況だ。
また指揮官はトンプソンの穴を埋めるべく、3ポイントのアテンプト(試投数)を増やすことを強調していた。
「ウィグズ(ウィギンズ)には6、7本のスリーを打ってほしい。ブランディン、モーゼス(ムーディー)、ディアンソニーについてもそうだ。私は多くのスリーを放つチームを作り上げたい。それが我々にとって重要だからだ。クレイの退団は非常に大きいからね。
昨年の我々は、リーグで4番目に多くの3ポイント(平均38.9本)を打っており、そのうち8~10本(実際は平均9.0本)をクレイが占めていた。だからその部分を埋めていかなければならない。それは複数の選手たちでカバーしていくことになる」
現時点で、ウォリアーズの今季最終着地点を決めるのは時期尚早。36歳ながらリーグトップレベルを維持するカリーを中心に、カーHCがどんなチームを作り上げていくか、期待したいところだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
【PHOTO】プレーでもルックスでもファンを魅了!NBA史上最高のシューター、ステフィン・カリーの厳選ショット!
今季のウォリアーズはチーム内競争が活性化?カーHCは「先発枠が空いているのはいいこと」とスターター争いに期待<DUNKSHOOT>
「最後の3分間はおとぎ話だった」。金メダルの余韻に浸るカリーがパリ五輪決勝を回想「今でもハイライトを観ている」<DUNKSHOOT>