アルカラスが激闘の末に対シナー戦3連勝を飾り中国オープン制覇!「これ以上ないほど素晴らしい1週間だった」<SMASH>

 男子テニスツアー「中国オープン」(9月26日~10月2日/中国・北京/ハードコート/ATP500)は大会最終日の現地2日にシングルス決勝を実施。第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク3位)が、前回覇者で第1シードのヤニック・シナー(イタリア/同1位)を6-7(6)、6-4、7-6(3)の逆転で下し、大会初優勝並びにツアー16勝目を飾った。

 両者はこれが今季3度目の対決。3月の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)準決勝と、6月の「全仏オープン」(四大大会)準決勝ではいずれもアルカラスがフルセットで勝利しており、通算対戦成績はアルカラスが5勝4敗と僅差で勝ち越していた。

 決勝はアルカラスが強力なストロークでシナーを攻め立てて主導権を掌握。第4ゲームでブレークを奪い、5-2とリードする。しかしサービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームはキープできず、終盤の第12ゲームでもセットポイントを逃し、第1セットからタイブレークへ突入。ここでもアルカラスは6-4としたところから4連続失点を喫し、第1セットを逆転で落とした。

 続く第2セット、3-4で迎えた第8ゲームでアルカラスに山場が訪れる。40-15からシナーの粘りのプレーに苦戦し、2本のブレークポイントを握られるピンチ。それでもここは14分にも及ぶ攻防の末にアルカラスが値千金のキープに成功。勢いに乗って直後の第9ゲームでシナーのサービスを破り、そのままセットオールに持ち込んだ。
  ファイナルセットでもアルカラスは巧みなネットプレーとフォアハンドのウイナーを起点に優位に進め、第2ゲームから3ゲーム連取。シナーも終盤の第8ゲームでブレークを返し、勝負の行方はこの日2度目のタイブレークに委ねられる。ここでは0-3とリードを許したアルカラスだったが、そこから怒涛の7連続ポイントを奪い、3時間21分の大激戦をものにした。

 対シナー3連勝を飾って今季4勝目を手にしたアルカラスは試合後のインタビューでライバルを称賛しつつ、試合内容をこう振り返った。

「彼が2セットで勝っていたかもしれないし、僕も2セットで勝っていたかもしれない、もしくは彼がフルセットで勝っていたかもしれないという、本当に競った試合だった。この試合でヤニックが少なくとも僕にとって、世界最高の選手であることが改めて証明された。彼のプレーレベルは信じられないもので、テニスの質が本当に高い。ショットやフィジカル、メンタル面の全てにおいて、彼は野獣だ」

 そして最後は今大会をこう総括した。「今週はずっと素晴らしいテニスができた。運が味方してくれたこともあったが、全体的にはコート内外でチームと一緒に最高の気分を味わえた。(中略)これ以上ないほど素晴らしい1週間だったと思う。これからも頑張りたい」

 大会後に更新された世界ランキングで3位から2位に浮上したアルカラス。今週は休む間もなくマスターズ1000大会「上海オープン」(10月2日~13日/中国・上海/ハード)に出場し、初戦の2回戦でシャン・ジュンチェン(中国/51位)と対戦する。体力面が少々心配だが、この勢いのまま連続優勝を期待したい。

文●中村光佑

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