月亭方正と立川志らくが「二人会」で落語対決! 「方正さんと私は似ていると思う」という理由とは!?

タレント山崎邦正から落語家に転身した月亭方正と、情報番組のコメンテーターなどとしてお茶の間でも人気の立川志らくによる『立川志らく・月亭方正 二人会』が、9月21日(土)に京都・よしもと祇園花月でされました。この落語会は「祇園花月では江戸の方と二人会をしたい。いまのうちにボコボコにされようと思って」という方正の思いが結実したもの。人気者の2人による“落語対決”に、会場は大盛況でした。


出典: FANY マガジン

「こんな満席は見たことがない」

開口一番を務めたのは月亭希遊。大きな声で元気よく幕開けを告げて『湯屋番』を口演。銭湯の手伝いやってきた放蕩息子の若旦那が番台に座って繰り広げる妄想劇で、若旦那の妄想が激しくなるにつれ、希遊も体を大きくくねらせ笑わせます。男湯の洗い場も生き生きと活写、大いに盛り上げて方正へと繋げました。

満員の会場に、「何回も祇園花月に出させてもらっていますが、こんな満席は見たことがありません」と目を丸くする方正。そして「立川流が大好きで、大師匠の志らくさんと二人会をさせてもらえるなんて、本当にありがたいことです」と顔をほころばせます。

マクラでは小噺も取り込み軽快に。「19歳でNSC(吉本総合芸能学院)に入りまして……」と自身の経歴を紹介しつつ、「そんな人生がもうバクチです」と本題の『看板のピン』へ。海千山千のばくち打ちがひしめくとばく場での一幕を、時に目をぎらつかせながら臨場感たっぷりに語りました。


出典: FANY マガジン

続いて志らくが登場。方正が「楽屋挨拶に行ったら声がとても小さかった」と言っていたとおり、ぼそぼそとした語り口で注意を引きます。そして「方正さんと私は似ていると思います」と切り出すと、その理由をこう話しました。

「方正さんはバラエティ(番組)に出て落語を始めて、私は落語からバラエティに出るようになりました。お互い、転身した時期がちょうど同じだったんです」


出典: FANY マガジン

ネタは『幇間腹』(たいこばら)。幇間とは……という説明から始める志らく、観客も興味津々の様子で聞いています。幇間の調子のよさを軽快に演じると、「今日は気分がいいから違うバージョンで歌っちゃおう」と、“メロディ替え歌”を次々披露しました。

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「実はネタが飛んでしまって…」

中入り後は、志らくの『死神』から始まりました。アニメ『昭和元禄落語心中』で語られる落語『死神』は、志らくの『死神』を参考にしていると間口を広げ、明治時代の名人で知られる三遊亭圓朝が創作し、グリム童話が原作なのではと言われていると続けます。

本ネタに入ると、死神が出てくる場面では肩に影を背負い、瞬く間に不穏な空気をまとわせます。生と死の間を、笑いを交えて漂いながら、最後はあの世へ真っ逆さま。照明は変わっていないのに、急にあたりが真っ暗になったような錯覚を抱かせました。


出典: FANY マガジン

トリは方正、ネタは『火焔太鼓』です。「最近、ネットニュースなどを見ると気持ちがギスギスします。でも落語はいいですね。ほんわかしてます」とあふれ出る落語愛を語る一方、「落語は観客の想像力がプラスされて完成される」と不敵な笑みを浮かべて、客席にプレッシャーをかけていきます。

そして、「道具屋の夫婦の噺です。この噺をしていたら、自分の家庭を見ているようで動悸が激しくなってきます」と噺の世界へ。しっかり者の妻とうっかり者の夫、その力関係が徐々に変わっていくさまを軽妙に描き、最後はハッピーエンド。温かな笑いに包まれました。


出典: FANY マガジン

終演後、「実はとてもいいところでネタが飛んでしまいました……」と悔しそうに明かす方正。申し訳ないので……と写真撮影タイムを設け、思いがけない“ファンサービス”に会場がわっと沸きました

「東京の噺家を招いてよしもと祇園花月で二人会」という方正の新たな企画は、早くも第2弾が決定しています。次回は2025年1月19日(日)、中堅の急先鋒、柳亭小痴楽を招いて開催されます。