![「生きし芸術-living art」が出来るまで制作舞台裏〜GFX100 IIの魅力 Vol.13 [FUJIFILM GFX Experience]](https://assets.mama.aacdn.jp/2024/10/1645624061_66ff5f5a0926a2_38363110.jpg)
ドキュメンタリーとして映像作品を制作すること
一般的にドキュメンタリーは、実際にあった事象の記録を中心に虚構を加えずに構成されるものだ。そのためドキュメンタリーの創造性には限界がある。ストーリーに焦点を当てるべきで、過度な演出はNGだ。「生きし芸術-living art」の制作もそのようなアプローチをとった。
エリオル監督は、物語と構成について完成予想図が見えていたという。眞利子氏の家族内のつながりだった。父と子の関係と師匠と弟子の関係を物語の中心として描こうと決めていた。
エリオル監督はプリプロダクションの準備のため、様々な物語性のあるエモーショナル・アートに焦点を当てたドキュメンタリーを数多く視聴した。純粋な盆栽に関する他のドキュメンタリーとは異なり、より魅力的な音楽と、より多くの映像表現レイヤーを持ち、映画の中で感情を余すところなく伝えることを目指したと言う。
実際に、盆栽の撮影に関して一筋縄ではいかなかったと彼は言う。企画当初から撮影に至るまで、彼とスタッフたちはアングルやショットについて多くのアイデアを出し合い、7分程度の作品が完成した。
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作品の中では、一貫して、魅せるためドリーショットが多用されている。そのショットはより深みがあり、ドラマチックなアングルで撮られ仕上がっている。静止したショットは眞利子氏と盆栽園のワイドショットのみで、他のインタビューシーンでさえもすべてドリーショットが採用された。この作品の印象的な特徴とも言える。
また、森のシーンでは、静的な盆栽と動的なコンテンポラリーダンサーの関係性を江上万絢がビジュアル面でより多くのアドバイスをしてくれた。当然彼女のダンスが森のシーンに動きを与えた。
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ジョン・ドニカ撮影監督が中判動画に臨む
エリオル監督は、この業界でより多くの経験を持つジョン・ドニカ撮影監督に相談した。彼らはカメラや照明だけでなく、各ショットのフレーミングについてもアイデアを出し合った。
エリオル監督がジョンとタッグを組んだのは、ジョンが撮影のクリエイティブな側面に集中できる一方で、監督が撮影のビジョンをまとめることができたからだ。ふたりのコラボレーションは、ごく自然なことだった。
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John Donica(ジョン・ドニカ)撮影監督
撮影監督としてのキャリアをスタートさせる前、ジョンは、中判120サイズのフィルムで撮影を経験していた。その後、撮影監督兼ビデオグラファーに転身した。
そして今回GFX100 IIを使用し、中判で映像撮影をすることになった。
ドキュメンタリーにも照明が非常に重要である。被写体に適切な照明を当て、適切な場所に配置することが重要であり、彼は長編映画の制作と同じように今回のドキュメンタリーにも取り組んだ。ジョンはドキュメンタリー制作へのアプローチについて語った。
写真家としての経験は、今回被写体をフレーミングし、構図や照明で試行錯誤する際にとても役立ちました