現在開催中の男子テニスツアー「ロレックス上海マスターズ」(10月2日~13日/中国・上海/ハードコート/ATP1000)に出場する世界ランク4位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、現地3日(水)に開かれた記者会見に出席。その中で引退後も競技に関わる意向を示した。
今大会が先の全米オープン(四大大会)で3回戦敗退を喫して以来、初のツアー公式戦出場となる37歳のジョコビッチ。しかし現状上海マスターズ以降のプランは「不透明」だとしており、最近はメディアの取材でも度々近いうちでの引退を匂わせる発言も増えてきている。
現在ジョコビッチはトップ100の中でガエル・モンフィス(フランス/38歳)に次ぐ年長選手であり、いつ引退の時が来てもおかしくない状況だ。今夏のパリ五輪で悲願の金メダルを獲得したレジェンドは、以前から話していた通り輝かしいキャリアに幕を下ろした後もテニスとの関わりを保ち続ける意欲を見せている。
「テニスへの愛が薄れることはない。トーナメント期間中に限らず練習中も、プレーしているとたくさんの感情が湧き起こる。いつもうまくいくとは限らないが、テニスと僕の関係性は、トーナメントや1年間の生活、(これまでの)成功や失敗よりもずっと深いものだと思う」
「テニスは僕が幼いころに恋に落ちたスポーツであり、今でも愛情を持っている。プロテニスから引退しても、テニス界に留まり、様々な役割を担い続けるつもりだ。なぜならこのスポーツが僕に与えてくれたものに対して、多くの恩義を感じているからだ」
第4シードとして出場する今大会、ジョコビッチにはある記録が懸かっている。節目のツアー100勝――。過去にこれを達成したのはジミー・コナーズ(アメリカ/元1位/109勝)とロジャー・フェデラー(スイス/元1位/103勝)の2人しかしない。ジョコビッチの試合勘が衰えていないかは少々心配だが、過去4度(2012、13、15、18)もの優勝を経験している上海なら、新たなマイルストーンを獲得できる可能性は十分だ。
最後にジョコビッチは19年大会以来5年ぶり(20年~22年は新型コロナ感染拡大により中止)に参戦する上海への思いを語るとともに、現在のコンディションを明かした。
「ここ(上海)には5年来ていない。ここでプレーするのは大好きだ。環境もファンの声援も大好きだし、今回は100回目のタイトル獲得を目指すという特別なモチベーションもある」
「練習セッションで毎日上達しようと努力している。ポイント練習や試合形式のセット練習をたくさんプレーして、希望するレベルに到達している。最近は大会にあまり出場していないので、他の選手のレベルに追いつく必要はあるけどね」
初戦の2回戦ではアレックス・ミケルセン(アメリカ/世界ランク43位)とブー・ユンチャオケテ(中国/同69位)による1回戦の勝者と対戦するジョコビッチ。史上3人目のツアー100勝へ、期待は高まるばかりだ。
文●中村光佑
【画像】ジョコビッチほか、パリオリンピック・テニス競技のメダリストたち
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