「買って間違いない旬な新車大賞2024」自動車ジャーナリストが推薦!“軽スーパーハイトワゴン部門大賞”はホンダとスズキの優秀車の画像一覧
本誌人気連載「遊べるクルマ」もついに100回!珠玉の新車たちの中から今選んで、買って間違いなしの旬な新車を、小沢コージが独自に選んでお届けしますっ!
今回は、IOTY(Imashun of the Year)「軽スーパーハイトワゴン部門」をご紹介!
安い、広い、快適!その魔力から逃れられない
なにかと「EVの時代」と言われるがまだ読めない。決定的なのは価格と効率で、中国製EVは安くても300万円でしかも狭い。日本人はここ10年でそれを凌駕する“両側スライドドア付き軽スーパーハイトワゴン”の魔力を知ってしまった。軽ワゴンは第一にスペース効率が圧倒的。全幅1.5m弱の狭い車幅の中で、限界ギリギリの高さ1.7mを取り、大人4人が余裕で座れる。ドラえもんの四次元ポケットのような車内の広さを味わってみると余裕っぷりがすごい。感覚的にはコンパクトSUVの倍ほど広い。両側スライドドアもすごく便利で、狭い駐車場で子どもが楽に出入りできるし、外にぶつける心配もまずない。電動スライドも一度知ったら逃れられない。
そして質感だ。ここが2011年から快進撃を続ける“新国民車”ホンダN-BOX最大の功績で、軽らしからぬインテリアの質感、乗り心地、ハンドリングを世に知らしめた。パワーもノンターボでも街中なら充分に力強く、ターボを選べば高速でもほぼ問題ナシ。最新モデルはさらに質感を高め、先進安全も高速オートクルーズの完全停止が可能に。おまけに上質なスポーツカーのイメージもあるブランド力で当分無敵だ。
一方スズキ スペーシアが強いのは装備&燃費。走りや内外装の質感ではN-BOXに若干追い付かないが業界初のリア席マルチユースフラップに改良版サーキュレーターなど魅力満載。オマケにマイルドハイブリッド付きでモード燃費はリッター20㎞超えで実燃費もいい。
最後にすごいのは価格で180万円台スタート。今の軽は高い……と言われるが性能を考えると安い。装備は満載でも、200万円超えで狭いコンパクトハッチバックを考えるとこちらのほうが断然イイ。結局のところ軽スーパーハイトワゴンは小ささや使い勝手、税制も含めて日本人が日本人のために作り出した最大効率的ハイト実用車なのだ。当分このジャンルが売れ続け、EV時代に入っても「軽スーパーハイトワゴンのEV」が売れるようになるだろう。人間一度味わった買いやすさは捨てられないのだ。
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IOTY(Imashun of the Year)はこれ!今後5年、もしや10年間は軽SハイトかコイツのEV版だ
(写真 左)
IOTY軽スーパーハイトワゴン部門大賞
ホンダ
N-BOX カスタム
¥1,849,100~¥2,362,800
問い合わせ:Hondaお客様相談センター TEL:0120-112010
初代は2011年に登場。事実上全ジャンルで国内新車販売台数No.1となった人気軽スーパーハイトワゴン。6年ぶりに一新された3代目は、骨格は据え置きだがデザインや質感走りまで全面進化。小物入れ削減が少し気になるもののほぼ死角ナシ。
[ ●全長×全幅×全高=3,395×1,475×1,790㎜ ●車両重量=940㎏ ●エンジンタイプ=水冷直列3気筒 ●総排気量=658㏄ ●エンジン最高出力=47kW/6,000rpm ●エンジン最大トルク=104N・m/2,600rpm ●トランスミッション=CVT ●使用燃料=無鉛レギュラーガソリン ●燃料消費率(国土交通省審査値)WLTCモード=20.3km/ℓ※数値はホンダ N-BOX カスタム FF ]
(写真 右)
IOTY軽スーパーハイトワゴン部門大賞
スズキ
スペーシア カスタム
¥1,801,800~¥2,193,400
問い合わせ:スズキ(株)お客様相談室 TEL:0120-402-253
前作パレットの後継モデルで2013年に初登場。2023年に現3代目となった軽スーパーハイト。打倒N-BOX最有力で一部質感では追い付いてないが、ボクシーなデザイン、ワクワク装備、燃費性能で凌駕。価格的にも買いやすく5月の月販で一瞬N-BOXを上回った!
[ ●全長×全幅×全高=3,395×1,475×1,785㎜ ●車両重量=910㎏ ●エンジンタイプ=水冷直列3気筒インタークーラーターボ ●総排気量=658㏄ ●エンジン最高出力=47kW/6,000rpm ●エンジン最大トルク=98N・m/3,000rpm ●モーター最高出力=2.3kW/1,000rpm ●モーター最大トルク=50N・m/100rpm ●トランスミッション=CVT ●使用燃料=無鉛レギュラーガソリン ●燃料消費率(国土交通省審査値)WLTCモード=21.9km/ℓ ※数値はスペーシア カスタム HYBRID XSターボ 2WD CVT ]
< IOTYポイント① > 全長3.4m以下でも大人4人ラクラク乗降、電動スライドドアのミラクルな使い勝手!
[ Honda N-BOX Custom ]
[ Suzuki SPACIA CUSTOM ]
N-BOX、スペーシアなど軽スーパーハイトの圧倒的な使い勝手のよさは、車内で子どもが立って着替えられる高さとやはり両側電動スライドドア。この魅力は一度知ったら逃れられない。全長わずか3.4mなのにセンターピラーのないダイハツタントなどは車内の横幅1.48mで高さは1.2m以上。前ドアも90°近く開くモデルが多く、こんなクルマ世界のドコにもない!
< IOTYポイント② > 軽を超えた上質インテリアのN-BOX、面白すぎ飛び道具満載のスペーシア
[ Honda N-BOX Custom ]
[ Suzuki SPACIA CUSTOM ]
元祖軽スーパーハイトは2003年の初代タントだが、それを国民車レベルのクオリティに引き上げたのはN-BOX。クラスを超えたインテリアや乗り心地を備え、現行3代目でさらに進化。カスタムのプライムスムース皮革の質感は極上。方や3代目スペーシアは、オットマンや荷物ホルダーになる後席マルチユースフラップや空調サーキュレーターまで装備。楽しい!
< IOTYポイント③ > 背の高さを感じさせない乗り心地とハイブリッドに迫る優良燃費
[ Honda N-BOX Custom ]
[ Suzuki SPACIA CUSTOM ]
両車のすごさは、かつてなら「商用車」扱いされた両側スライドドア軽ハイトの走りを乗用車レベルまで昇華させた点。ソフトでフラットな乗り心地はもちろん、エンジンノイズ、風切り音、ドアまわりのガタガタ音も少なく、パワーも充分。燃費はモードで20km/ℓを超えるのはもちろん、スペーシアはメーター表示の燃費でも時に26km/ℓ超え。ほぼ本格ハイブリッド並み!
小沢コージ
愛情あふれる独自の視点でクルマを語るバラエティ自動車ジャーナリスト。雑誌を中心にWebなどにも多数寄稿。2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める。YouTube kozziTV絶賛配信中!
取材・文/小沢コージ 撮影/和田清志