10月5日に行なわれたプレミアリーグ第7節で、リバプールは敵地でクリスタル・パレスと対戦し、開始9分でディオゴ・ジョタが挙げたゴールにより1-0の勝利を飾った。
リーグでは3連勝、公式戦では6連勝を達成したこの一戦で、日本人選手はいずれも終了間際にピッチに登場。88分に鎌田大地がトレボー・チャロバーと、その直後には遠藤航がカーティス・ジョーンズに代わり、短い時間ではあったがプレーしている。
ともに今季は厳しいシーズンのスタートとなっているが、とりわけ後者はこの試合を前にリーグでは2試合の出場(いずれも終了間際)に止まり、公式戦全体でもカラバオ・カップのウェストハム戦で唯一先発出場(82分で交代)を果たしただけということで、アルネ・スロット監督のスタイルには合わないという理由で「長くベンチに置かれることになるのではないか」というシーズン開幕前の懸念が現実のものとなっている。
今回も過去2戦同様の起用となったが、試合後の各方面からの反応はこれまでとは異なっていた。リバプールのクラブ専門サイト『LIVERPOOL.COM』は、「遠藤はスロット監督の下で思うように出場機会を得られていないが、パレス戦でのパフォーマンスにより、トップクラスのプロフェッショナルであることを証明した」と、わずか7分間プレーしただけの背番号3を絶賛した。
「その将来については多くの憶測が飛び交っているが、セルハースト・パークではチームを勝利に導く上で、期待以上の役割を果たした。このMFは後半に交代出場し、アディショナルタイムにスロット監督率いるチームに安定感を与えた。彼はパレスがカウンターを発動しようとした際、ボールを持ったウィル・ヒューズに対し、強烈だがフェアなスライディングを決め、チームメイトのライアン・フラーフェンベルフから拍手を受けた」
このように綴った同メディアは、遠藤がサポーターからもSNSを通して多くの称賛を受けたことを伝えるとともに、スロット監督の「このチームで最もポジティブなことのひとつは、たとえ5~7分間の出場でも、偉大で、代表チームのキャプテンでもある選手が、全力を尽くしてくれることだ」とのコメントを紹介。そして、オランダ人指揮官の賛辞はこれだけに止まらない。「他のクラブでは時々、『5~7分しか使ってくれないのか?』という態度を取る選手がいる。しかし、遠藤が登場した際のパフォーマンスを見てほしい。ボールを持った時のプレーの良さや、セカンドボールの奪取など、彼はわずか7分間で非常に大きな影響を与えた。これはチームの結束力の証明でもあるが、何よりも彼という人物をよく表わしている。5分しかプレーしていないにもかかわらず、あれだけのパフォーマンスを見せるのだ。このことが、彼がどんな人間であるかを物語っている」
同じくクラブ専門サイトの『Anfield Watch』も、「日本人MFはピッチに数分間しかいなかったが、多くのリバプール・ファンに忘れられない印象を残した。試合終盤に出場し、レッズが大きなプレッシャーにさらされていたにもかかわらず、遠藤はすぐにプレーに加わり、その献身的な姿勢でファンを感動させた」と、終始ポジティブに伝えている。
「ジョーンズはスロット監督の下、プレミアリーグ初先発を果たしたが、試合終了後に注目を集めたのは、彼に代わって出場した遠藤だった。彼は時間を浪費する巧みな戦術に加え、重要なタックルやインターセプトを成功させ、リバプールの4バックとデビュー戦のGKヴィテスラフ・ヤロシュのプレッシャーを幾らか和らげるなど、良い働きを披露した」
「遠藤はこのような瞬間にこそ最適で、出場して試合を落ち着かせた。このベテランMFはスロット監督の下でほんの少しの役割しか果たしておらず、それが今後すぐに変わることはなさそうだが、サポーターは今でもレッズの3番を愛しており、今季、彼が出場するたび、今回と同じように役に立つことを期待しているだろう」
一部メディアが、遠藤が構想外であるとして冬の移籍市場でリバプールから放出されると報じ、これに対してはファンから様々な反応が示されているが、このような状況で腐ることなく与えられた時間の中で全力を尽くし、またクレバーなプレーも披露してその存在をアピールした31歳。その有用性をスロット監督に見出させ、自ら現状を打破することができるかに注目したい。
構成●THE DIGEST編集部
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