テニスの日本チャンピオンを決める「三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権99th」(10月4日~13日/東京・有明/ハードコート)は7日、男女シングルス2回戦を実施。男子は、今大会での現役引退を表明している元世界60位の伊藤竜馬が、第7シードの齋藤惠佑に6-4、6-4のストレート勝利を収め、3回戦へ駒を進めた。
「今までサポートしていただいたスポンサーの方、応援してくださっているファンの人や家族の前で良いプレーをして終えたい」という思いで今大会に臨んでいる伊藤。5日に行なわれた初戦では、山中太陽を3-6、7-5、6-3の逆転で下し底力を見せた。
そして、齋藤との2回戦も全日本を2度(2013年、18年)制している36歳が、実力を発揮。試合序盤は球足の遅いコートにアジャストできずにいたが、徐々に強烈なサービスと持ち前の伸びのあるフォア、“ドラゴンショット”が厳しいコースに決まり始め、2度のブレークに成功して第1セットを先取する。
第2セットに入っても攻撃の手を緩めない伊藤は、齋藤のトップスピンの効いたフォアハンドに屈せず、ストローク戦で主導権を握る。第9ゲームで値千金のブレークに成功すると、最後は白熱のラリー戦を制して2回戦を突破した。
試合後のオンコートインタビューでは、「たくさんのファンの皆さんが応援に来てくださり、パワーをいただいたおかげで勝ち残れております」と安堵の表情を浮かべた伊藤。明日行なわれる片山翔とペアを組むダブルスについては、「第1シードと対戦ということで片山選手と一緒に盛り上げて、頑張っていきたいです」と意気込みを語った。
一方女子は、2021年大会で準優勝を果たしている光崎楓奈が、第13シードの秋田史帆の途中棄権によって3回戦へ進んでいる。
「望んだ形での勝利ではなかったのですが、自分のできるパフォーマンスをしっかりしようとしました。積極的なプレーができた場面もあったので、それをプラスに捉えて次の試合でも生かせるように頑張りたいと思います」
今大会へは「優勝したいという気持ちを持って全力でプレーする」という思いで挑んだ光﨑。今年、ヨーロッパに遠征しクレーコートで腕を磨いたことで「今までは打つだけだったけど、それ以外のプレーも考えてできるようになってきた」と自身の成長を口にする。
次戦は第4シードの佐藤南帆と対戦。「プロになってから対戦するのは初めてなので楽しみです。今自分のできることを精一杯やって、気持ちで負けないように頑張ります」と抱負を語った。
取材・文●前道右京(スマッシュ編集部)
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