10月8日、日本ハムが75勝60敗の2位でペナントレースを終えた。この最終戦(対楽天)は完封負けに終わったが、2年連続で全球団に負け越し最下位に終わった“負け犬”の姿はどこにもない。何せ2018年以来、6年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)出場である。
3季目となった新庄剛志監督は開幕前、「今年もダメだったらユニホームを脱ぐつもり」としていたが、しっかりと結果を出した。CS(12日~対ロッテ)から3年で作り上げた新庄野球の集大成を見せる場となるが、それ以上に注目を集めるのが去就についてだ。8日の試合後には本人、「完全燃焼したらもう責任を果たしましたってなるかもしれないし、やり返したろと思ったらまたあるし…」とコメントしている。
「何とも新庄監督らしい言い回しでしたが、『今後の戦い方次第』を強調していましたね。誰もが驚いた監督就任時には『長く続けても4年』と明言しているだけに、本人の中で続投は既定路線とも考えられますが…」(日本ハム担当記者)
一方、球団フロントが「2位」の成績以上に高く評価しているのが、新庄監督が球団にもたらした経済効果だ。
「今季はホームゲームの観客動員が7年ぶりに200万人を突破。23年に総工費600億円をかけて開業した本拠地のエスコンフィールドで2兆円以上の経済効果を生んでいると言われており、当然、続投要請の方針です。もし断られた場合の次期監督としては、新庄監督の盟友でもある稲葉篤紀2軍監督が真っ先に挙がるでしょう。ただ、新庄監督と比べてしまうと誰になってもインパクトが弱いのが頭の痛いところです」(日本ハム担当記者)
球団にとっては、CS敗退、新庄監督退任が最悪なシナリオであることは言うまでもない。
(小田龍司)