「野犬からのデコピン」「犬の格差がヤバい」「非情すぎる」といったリアクションが寄せられたのは10月7日放送のフジテレビ系「めざまし8」。日本国内の野犬問題を取り上げた直後に、ドジャース・大谷翔平選手の愛犬を紹介したことで、物議を醸してしまったようだ。
番組の冒頭で流れたのは茨城県東茨城郡茨城町の映像。畑の向こうにいるのは野犬の群れ。インタビューに町の人は「おっかない。みんな大きいから」と恐怖を口にし、また別の住民は、夜の鳴き声に迷惑している様子で、ある農業従事者は、ハウスの中の葉物野菜を踏み荒らされたという被害を明かしていた。昨年度の茨城町の野犬捕獲数は、239頭にのぼり、動物保護施設はひっ迫。施設内で心配そうに身を寄せる野犬を捉えた写真が紹介された。
その後、野犬の保護活動を行う団体の代表者がVTR出演し、野犬は家畜用に保管された餌を盗んで食べているのではないかと推察。「どんどん子犬が野山で生まれている状態をまずは減らしていかないと、たまたま捕まった犬をセンターから引き出しているだけだと、本当にいたちごっこになってしまう」と語ったところで、野犬のニュースは終わり、スタジオのモニターには大谷翔平選手と愛犬・デコピンの2ショットが映し出された。情報キャスターの酒主義久アナウンサーは「先ほど、ドジャースの公式Xに、試合前の大谷翔平選手とデコピンの写真が投稿されました」と紹介。デコピンが犬用のドジャースのユニフォームを着ていることに触れると、番組MCの谷原章介は「ドジャースね、ピッチャーの枚数が足りてないんですよ。(デコピンが)登板するんじゃないですか?」とジョークを飛ばしていたが、保護された野犬とメジャーリーグでVTP級の扱いを受けるデコピンのギャップに、SNSでは「モヤモヤする」「貧富の差が…」などと様々なコメントが寄せられていた。
「じつは前日の6日に放送された『噂の!東京マガジン』(BS-TBS)でも茨城町の野犬の問題を取り上げていましたが、こちらは14年前から野犬に悩まされてきた神栖市の取り組みを紹介するなどして、かなり深く掘り下げていた印象。一方の『めざまし8』は、何の解決策も示さず、出演者のコメントも挟まないまま、デコピンの写真を取り上げていたので、多くの視聴者が違和感を覚えたのでは…。なんとも謎深い番組構成と言えます」(メディア誌ライター)
視聴者をモヤモヤさせた「めざまし8」には、茨城町の野犬問題の続報を期待したい。