躍動感が足りなかった横浜。チームの現状に水沼宏太も警鐘「危機感を持ってやらないと上は目指せない」【ルヴァン杯準決勝第1戦】

[ルヴァンカップ準決勝第1戦]横浜 1-3 名古屋/10月9日/日産スタジアム

 躍動感に欠ける試合だった。

 横浜F・マリノスは10月9日、ルヴァンカップ準決勝第1戦で名古屋グランパスとホームで対戦し、1-3で敗れた。

 立ち上がりから攻勢をかけてきた名古屋に押し込まれ、横浜は開始3分にCKから先制点を奪われる。だが、この一点は致命傷ではなく、選手たちも下を向かずにゴールへの姿勢を示した。

 しかし、渡邊泰基が「2失点目が試合を決めた印象」と語ったように、14分に再びCKから名古屋に加点を許した横浜は、その後も相手の出足の早い守備に苦しんでパスを思うように繋げられず。

 試合中は副主将の松原健がチームメイトに声をかけるなど、リーダーシップを発揮した一方で、主将の喜田拓也がメンバー外、水沼宏太がベンチスタートと、大きなジェスチャーや声で鼓舞する選手たちがピッチ上に不在だったのも影響したのか、チーム全体から覇気が感じられなかった。

 横浜は31分にアンデルソン・ロペスのゴールで1点差に詰め寄り、後半はポゼッションで上回ったが、76分に3失点目を献上。そのまま第1戦を落とした。
【画像】最後まで大声援で選手を後押しした横浜F・マリノスサポーター!
 試合後、水沼は「シンプルにうちの躍動感が足りなかった」と指摘。2失点目のあとのチームの雰囲気についても、「誰が顔を上げさせるのかじゃなくて、ピッチに立っている選手たちが責任を持ってやらなきゃいけないし、危機感を持ってチーム全体で考えなきゃいけない。下を向いていても、誰も助けてくれない。勝ちたかったら周りを助けて、自分も助けてもらう。それがチームだと思う。そうした根本的なところをもっと突き詰めてやることも大事になる。もっと結束力と競争力を持ってやっていかないと、上は目指せない」と語る。

 水沼は87分に投入され、プレー時間が限れたなかでも第2戦に向けての改善点はいくつか見つけたようだ。

「僕は残り数分でしたけど、“ここが空いてる”とか“ここからもっと人数をかけて攻められたら”っていう発見ができた。このチームは試合中でもいろんな攻撃を試しながらやっていくことができる。同じような攻撃だけじゃ相手は怖くないので、もっとアイデアが大切」

 日頃からトリコロールを支えるサポーターへの感謝と、ルヴァンカップのタイトルへの強い想いも口にする。

「こんなに情けない試合をしてしまって、でもサポーターは『次、名古屋に勝とう』って声をかけてくれて、本当にありがたい。チームとしてここまで来た以上、優勝したいので、とにかくやるしかない。すぐに試合(第2戦は中3日)があるから、できなかったところ、できたところを整理して、2点以上を取らないと先はないので、とにかくそれを目指してやりたい」

 チームが苦しい時こそ、34歳のベテランMFの技術と経験が力になるはずだ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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