「牧場で長年続いた障害者虐待は、なぜ見過ごされたのか?」
HTB北海道テレビで10月20日の深夜1時15分から、テレメンタリー2024「沈黙の搾取 見過ごされた障害者虐待」が放送されます。また、系列各局にて、日時違いで全国放送が行われます。
知的障害者の3人は、北海道恵庭市の牧場に住み込みで長年働いていました。ただし、そこでは牛用のバリカンで髪を切られたり、虫やごみが浮いた水を飲んでいたりしたといいます。
そのため3人は虐待を受けていたとして、牧場と恵庭市に対して損害賠償を求めて裁判を起こしたのでした。
訴えによると、3人が暮らしていたのは水道や暖房のない小屋。加えて、普段から十分な食事が提供されず、いつも明け方から日没まで働かされていたそうです。
さらに賃金は未払いで、3人に支給されていた障害年金も、牧場主がほぼ全額引き出していたとのこと。その総額は5000万円を超えていました。
原告側は他にも、虐待を認識していたにも関わらず恵庭市は隠ぺいをしていたと訴えており、その背景には市議会議長だった牧場主(故人)への忖度があったと主張します。
これに対し、恵庭市は真っ向から反論。「虐待の疑いを強く認識しておらず、牧場主に対する忖度は皆無」と主張します。
すでに亡くなっている牧場主の妻も「夫がやっていたこと」と語り、障害年金は3人の食費や生活費に使用したと説明していたそうです。
番組では、原告側である3人の障害者のうち1人を取材。現在、彼はアパートで暮らしており、「自由が欲しかった」と牧場での過酷な日々を語っています。
「3人は障害者だから救われなかったのか?」。番組では、この問題の背景を紐解くことで、いまだ根深い障害者差別について考えます。
情報提供:北海道テレビ放送株式会社
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 佐藤圭亮 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024101006.html