「嘘でしょ!?」「ガッカリ」JRAが藤田菜七子騎手を騎乗停止処分。複数回にわたり調整ルーム内でスマホ使用する衝撃事実に落胆の声止まず

 重大な非行が明らかとなった。

 10月10日、日本中央競馬会(JRA)は藤田菜七子(美浦・根本康広厩舎)騎手に騎乗停止処分を下した。昨年4月ごろまで複数回にわたり、調整ルーム居室内に通信機器(スマートフォン)を持ち込み、使用していたことが判明した。

 若手騎手による違反の連鎖が止まらない。JRAの公式ホームページによると、藤田騎手は「JRAの騎手として重大な非行があったものと認められるため、日本中央競馬会施行規程第148条第2項により裁定委員会に送付するとともに同条第4項により24年10月11日(金)から裁定委員会の議定があるまで同騎手の騎乗を停止する」と発表した。

 事の発端は9日、一部週刊誌に同騎手が競馬場内の調整ルーム居室内に通信機器を持ち込み、外部の人間と連絡を取っていた形跡があったと報道。翌日に美浦トレセン公正室の赤井誠室長が本人への聞き取りが行なわれ、騎手として重大な非行行為があったかを確認されていた。
  2016年にデビューを果たした藤田騎手は19年のカペラS(コパノキッキング)で重賞初勝利を飾るなど、近年の女性騎手の先駆者として国内だけでなく海外でも活躍の幅を広げていた。人気騎手の騎乗停止発表に競馬ファンは衝撃を隠せず、X上には「嘘でしょ!?」「なんでや…菜七子」「最後の砦が…」「お前もかい!」「事実かよ」「笑えない」「ガッカリだわ」など、落胆と失望の声が溢れている。

 昨年5月には今村聖奈(栗東・寺島良)ら6人の若手騎手が30日間の騎乗停止となり、今年5月にも水沼元輝(美浦・加藤和宏)の不適切使用と偽装工作が判明し、来年2月28日まで9か月間の騎乗停止処分に。さらに今月には永野猛蔵(美浦・伊藤圭三厩舎)、小林勝太(美浦・小野次郎厩舎)の両騎手が藤田騎手と同様に調整ルームでの通信機器使用により騎乗停止となるなど、JRAに所属する若手騎手のスマホの不適切使用が次々と発覚している。

構成●THE DIGEST編集部

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