男子テニス界を長きにわたりけん引してきた元世界王者ラファエル・ナダル(スペイン/38歳)が10日、今年11月に開催される男子国別対抗戦「「デビスカップ・ファイナルズ・ノックアウトステージ」(スペイン・マラガ/ハードコート)を最後に現役から引退すると発表。このニュースを受けて最大級のライバルであるノバク・ジョコビッチ(セルビア/37歳)がSNSを通じ、ナダルのキャリアを称賛するメッセージを発信した。
ジョコビッチは「ラファ(ナダル)、あなたへの尊敬の念と、あなたがこのスポーツのためにしてくれたことを表現するには、1回の投稿では足りません」と前置きしつつレジェンドの功績を次のように称えた。
「あなたは何百万人もの子どもたちにテニスを始めるきっかけを与え、それはおそらく誰もが望む最大の功績だと思う。あなたの粘り強さ、ひたむきさ、ファイティング・スピリットは、何十年もの間、教えられ続けるでしょう。あなたの遺産は永遠に生き続けるだろう。テニス、そしてスポーツ全般の象徴になるために、あなたが何を耐えなければならなかったかは、あなただけが知っています」
そして自身のキャリアに於ける関係については「選手として最も影響を受けたライバルで、何度も私を限界まで追い詰めてくれてありがとう」と綴り、ナダルが臨むラストステージに向けて「スペイン代表としてのあなたの情熱には、いつも目を見張るものがあった。デビスカップ・スペイン代表とともにマラガで最高のお別れができることを祈っています。あなたの輝かしいキャリアに敬意を表するために、私もその場にいるつもりです」と締めくくった。
ジョコビッチとナダルが最初にナダルと対戦したのは2006年の全仏オープンの準々決勝で、その際はジョコビッチの途中棄権によりナダルが勝利した。その試合も含めて現在まで両者は60回対戦し、通算成績はジョコビッチが31勝でナダルを2勝上回る。だが、四大大会の決勝に限って言えば8度対戦してナダルが5勝とジョコビッチを突き放す。
四大大会通算24勝と最多記録を誇るジョコビッチは今夏のパリ五輪で悲願の金メダルを獲得して「生涯ゴールデンスラム」(キャリアに於いて全ての四大大会と五輪を制すること)を達成した。だが以降は出場大会数も制限していることから一部では「引退も近いのでは」とも囁かれており、本人もそのことについては否定していない。そんなジョコビッチだからこそ、最大のライバルが引退の決断を下す際の気持ちがよくわかるのかもしれない。
構成●スマッシュ編集部
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